マーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現には、クラウドサービスを中心としたマーケティング支援ツールの活用が不可欠です。CRM(顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)、Web接客など、各種ツールの導入/乗り換えの際に先進企業は何を重視し、どんな成果を出しているのか。日経クロストレドでは22年2月、特集「マーケツール導入/乗り換えの極意」を掲載しました。各企業の取り組みを分かりやすくするため、記事で紹介した事例を細分化して検索しやすくしました。ぜひ、お役立てください。

(画像提供:microstock3D/Shutterstock.com)
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 以下にリンクしている特集の内容は22年2月の掲載当時のままですが、記事内の事例を分割して再掲載しています。特集全文を読みたい場合は、それぞれの記事からリンクしている特集の本編をご参照ください。


▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第1回 CRM、BI、MA、CMS…ツール選びで失敗を防ぐ鉄板11ステップ

 デジタルマーケティング支援会社アンダーワークス(東京・港)が制作した「マーケティングテクノロジーカオスマップ」には、1300超のツールが掲載されている。技術進歩でツールが増え続ける中、利活用する事業会社のマーケターは自社に適したツールを選定する目利きが求められる。本特集では、ツール導入で起こりがちな失敗、選定手順のフレームワーク、成功事例などからツールの乗り換え・導入の極意を学ぶ。第1回は専門家の意見を参考に選定手順を3つのフェーズに分け、1+10(計11個)のステップで解説する。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第2回 マーケツール選びの具体的ステップ 社内の課題や要望の深掘りで誤解を回避

 ツールの導入・刷新の目的が明確に見えてきたところで、いよいよ「ステップ1:ツールのトレンド調査」に入っていく。この部分は、マーケツールにまつわる利用実態のアンケートをまとめた本特集の第2回「発表! マーケツール利用調査 CRMやMAはセールスフォースが圧倒」も参考にしてほしい。並行して「ステップ2:現状課題/要望の整理」や「ステップ3:ツール刷新/導入メリットの整理」を進める過程でも、場合によっては新しいツールの導入は不要と判断することもあるという。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第3回 マーケツール利用調査 CRMやMAはセールスフォースが圧倒、最新の利用動向とは?

 日経クロストレンドはマーケターを中心とするビジネスパーソンを対象として、デジタルのマーケティング支援ツール(マーケツール)に関するアンケートを実施した。どんなツールを利用し、その満足度はどうだったか、どこが評価のポイントだったのか。回答を集計し、最新の利用動向をあぶり出した。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第4回 MAツールで「b→dash」が上位 Web接客ツール1位に「KARTE」、「Rtoaster」が続く

 MAツールは、CRMの結果と比べると突出したものはなかったが、やはり上位に入ったのはセールスフォース・ジャパンの製品だった。商談型ビジネス向けの「Pardot(パードット)」が20%で1位、店舗などBtoC(個人向け)ビジネスで使われることが多い「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」が約18%となった。3位と4位にはアドビの製品が入った。以降は僅差だったが、国内勢では、データX(東京・新宿、旧フロムスクラッチ)の「b→dash(ビーダッシュ)」が最も多かった。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第5回 CRM、MA、Web接客ツール 評価の決め手「操作のしやすさ」

 CRMツール、MAツール、Web接客ツールの満足度を回答するうえで、評価の決め手が何だったかを聞いた。ここでは上位6項目について紹介する。いずれも「操作のしやすさ」を重視するという人が最も多かった。CRMツールとMAツールでは、2位と3位に「機能の豊富さ」「画面の見やすさ」が入った。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第6回 ReproのWeb接客ツールを導入 洋服の青山、4つの必勝パターンを公開

 紳士服事業を手掛ける青山商事は2020年10月、Repro(リプロ、東京・渋谷)のWeb接客ツールを本格導入した。アプリを軸としたOMO(オンラインとオフラインの融合)としての顧客体験向上を目指す狙いだ。同社のWeb接客の極意は「シナリオ設計」。高い効果が見込める必勝の4シナリオを披露する。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第7回 青山商事のWeb接客活用、効果が出やすい4つのシナリオ プッシュ通知は配信対象を絞りすぎない

 青山商事が活用しているのは、アプリの分析からマーケティング活用まで一貫して行えるReproのWeb接客ツールだ。Reproのツールはプッシュ通知など、アプリ向けを出自として開発された。またReproは、アプリとWeb両方のマーケティング支援も展開しているため、青山商事が推進する「アプリを軸にしたOMO戦略」と相性がよかった。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第8回 「よなよな」のヤッホー 新EC構築ツールでサブスク刷新、移行率99%

 クラフトビールのヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)がサブスクリプションサービス「ひらけ!よなよな月の生活」を2021年7月に刷新した。最大の目的はビールを選ぶときに缶のアイコンで分かりやすく表示するなど、ユーザー本位の仕組み構築。その理想を実現できるかが新ツール選びの肝となった。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第9回 ヤッホーのECサイトはシステム複雑化が課題だった ファンとの絆を大切にできるツール選び

 「今まではだましだましやってきた。システムの制約でカスタマイズができず、我々の理想とするサービスを提供できなかった」と、ヤッホーのECサイトシステムリニューアルプロジェクトリーダーである大友直也氏は話す。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第10回 JTが挑む「喫煙者漸減」の逆風 突破口はマーケツールの刷新

 マーケティングツール導入は、ビジネスに向かい風が吹く中で突破口を切り開くための手段にもなる。日本たばこ産業(JT)は2021年12月、顧客データを蓄積・分析する仕組みを改めた。喫煙者減が続く中、顧客のLTV(顧客生涯価値)向上を目指す策の1つ。指標算出の工数が削減するなどの手応えも見えてきた。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第11回 JTのツール活用、Treasure Data CDPでポイント、キャンペーン、顧客情報を一括管理へ

 Treasure Data CDPを導入した2016年当初、活用範囲はあくまで分析基盤にとどまっていた。JTは顧客管理システムとプロモーション用のシステムを、自社のサーバー上で構築するオンプレミス型(システムの稼働やインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器、ソフトウエアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態)で運用してきた。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第12回 施策実行スピード、改善へ JTのTreasure Data CDP活用術

 載せ換えの大まかなイメージはこうだ。従来、JTのマーケティング基盤は顧客情報を管理する1階層、ポイントやキャンペーンの制御を行う2階層、WebサービスやWebアプリケーションで直接ユーザーの目に触れるフロントエンドの3階層という3層構造になっていた。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第13回 2社に競わせる衝撃のABテスト 「まんが王国」はシルバーエッグ・テクノロジーのツールに切り替え

 会員数550万人超を持つ電子コミック配信サービス「まんが王国」を展開するビーグリーは、2021年8月にレコメンドツールを切り替えた。切り替えは経営戦略の転換に起因する。マーケティングツールは提供会社によって開発方針が異なるため、経営戦略や事業戦略に合わせて、適切なツールへと乗り換えるのも真価を引き出す重要なポイントだ。ビーグリーは候補の中から最も適したツールを選ぶため、約1年にわたる徹底したABテストを実施。ツールの乗り換えによって、顧客の平均購入単価の引き上げに成功した。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第14回 「まんが王国」はレコメンドのロジックを重視、経営戦略に合わせてツールを選定

 一方、ビーグリーが新たに掲げたLTV重視戦略はその正反対。より顧客に適した高単価の作品を推奨し、ポイントの消費を促していくことの優先度が高まった。従来のツールはCVR偏重型ゆえに、CVRが相対的に低くなる消費ポイントが高い作品が推奨されづらい傾向にあったため、新戦略と適合しなくなった。「1話単位で売る“マイクロコンテンツ”は、CVRは高いものの収益性は低い」(吉田氏)

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第15回 日本ピザハット、セールスフォースのMAで注文件数が1.4倍

 日経クロストレンドが実施したマーケティングツールの調査「発表! マーケツール利用調査 CRMやMAはセールスフォースが圧倒」で、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)ツールはセールスフォース・ジャパン(東京・千代田)の利用比率が高かった。日本ピザハット(横浜市)は2018年からセールスフォースのMAを導入。フォローメールの効果で注文件数が1.4倍になるなどの成果につなげている。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第16回 日本ピザハット、セールスフォースのMAツール活用、メール経由の売り上げも115%に

 会員との密接なコミュニケーションを取るため、週に2回程度の定期メールを送っている。さらに誕生日や、購入から経過した期間や購入頻度に応じて自動で配信する設定をしている。「会員登録やアプリインストール、初回注文、リテンション(継続的な利用)といった、シンプルなジャーニーを意識しており、特に初期のお客様の体験を重視している」(重兼氏)。そのため、新規登録をした人がオンボーディング(スムーズな利用開始)できるよう、会員登録後の1~2週間でウエルカムメールを中心とした複数回のコミュニケーションを実施している。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第17回 「エクセル経営」ワークマンが、あえてソニー製AIを導入した理由

 衣料品販売のワークマンは、表計算ソフト「Excel(エクセル)」を使った独自のデータ経営を推進してきた。そんな同社が2022年2月からAI(人工知能)の導入に踏み切った。地道なアンケートなど顧客理解の取り組みは従来通りに進め、精度も追求する新たな「エクセルとAIの共存」体制を目指す。

 

▼マーケツール導入/乗り換えの極意:第18回 ワークマンが活用するAI分析「Prediction One」 予測の精度が20%改善

 やみくもにAIを導入すれば、土屋氏が目指した「全社員がデータ活用人材になり、新たな活用方法を生み出していく」という方針に逆行することになる。そこで「なぜ売れるのか」を示す因果関係が解明できたものはAIに任せていいとの考え方を採ることにした。

 

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