「LINEのマーケティング活用」新常識 第3回

現在の「LINE」は単なるメッセージ配信メディアではない。10個のマーケティングサービスを組み合わせることで、認知、比較・検討、購入といった購買プロセスから、その後のCRM(顧客関係管理)まで一貫して行えるフルファネルマーケティングのプラットフォームだ。しかし、マーケティングサービスが乱立して全体像が見えにくくなっている。そこで、マーケティングファネルの段階に合わせてサービスを整理。一覧できるようにした。

LINEは全部で10個のマーケティング支援サービスを提供する
LINEは全部で10個のマーケティング支援サービスを提供する

 LINEのマーケティング支援事業は「LINE公式アカウント」と「LINEスポンサードスタンプ」という2つの広告サービスから始まった。LINE公式アカウントは、LINE上に企業がアカウントを開設できるサービス。メールなどと同様に、登録者(友だち)に商品やキャンペーンにまつわる情報を直接届けられる。例えば、ECモール「楽天市場」の公式アカウントには5000万人超が登録する。この登録者のうち、アカウントをブロック(配信停止)していない登録者が純粋なメッセージの配信対象となる。

 一方、公式アカウントの登録者数を増やす手段であり、LINEならではの広告商品がLINEスポンサードスタンプだ。企業が持つキャラクターなどを、LINE上で使えるスタンプ(大型の絵文字)として提供。スタンプの利用と引き換えに、公式アカウントへの登録を促せる商品だ。従来のLINEのマーケティングといえば、スタンプの提供で公式アカウントに大量の登録者を集め、一斉配信でメッセージを送るマスマーケティング的な手法が王道だった。そのため、商品・ブランドの「認知」獲得にとりわけ強い媒体という印象が強かった。

 しかし、それも今は昔。LINEのマーケティング支援サービスも多様化が進み、活用の幅が広がった。「LINEのマーケティング支援サービスは認知、理解促進、販売促進まで、幅広いラインアップになっている。そうしたLINE上で行われる、すべてのプロセスを1つのIDで捕捉できる。マーケティングファネル全体をデータで可視化できることが今のLINEの強みだ」とLINE上級執行役員広告・法人事業統括の池端由基氏は言う。今のLINEは、マーケティングファネルのすべてのフェーズで利用可能な「フルファネルマーケティング」のプラットフォームとみるべきだろう。

 LINE専門のマーケティング支援会社DOTZ(ダッツ、東京・新宿)の稲益仁社長は「従来のデジタルマーケティングは、マーケティングファネルの段階ごとに分断が起こっていた。動画広告で認知を取り、検索連動型広告でサイトに誘導する。購入しなかった場合には、リターゲティング広告で継続的に訴求する。それらが別々の広告サービスになっている。LINEは複数のマーケティングサービスを有機的に結び付けることで、一気通貫でフルファネルマーケティングができる唯一のプラットフォームだ」と説明する。

LINEマーケの全サービスをファネルで図解

 それを理解しやすいように、LINEや支援会社の専門家の協力を得て、「認知」「興味・理解」「比較・検討」「購入」「CRM」という5段階のマーケティングファネルに合わせて、LINEのマーケティング支援サービスを下図に整理した。

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