載せ換えの大まかなイメージはこうだ。従来、JTのマーケティング基盤は顧客情報を管理する1階層、ポイントやキャンペーンの制御を行う2階層、WebサービスやWebアプリケーションで直接ユーザーの目に触れるフロントエンドの3階層という3層構造になっていた。

 各種API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は2階層から提供され、自社サイトに情報を表示する。例えば、顧客ごとのポイントの保有数や、特定の層に対する情報掲載といった具合だ。このポイントやキャンペーンの仕組みに関して、新たに機能追加をする場合、2階層のシステムを改修する必要があった。一つひとつの変更に関わる日数や工数が煩雑になり、スピーディーな施策実行の妨げになっていたという。

 Treasure Data CDPに載せ替えるタイミングで、2階層に対して直接機能改修をするのをやめた。代わりにデータに基づいて、Webサイトの表示などを変える新たな仕組みを開発した。これを2.5階層と呼んでいる。データの管理はTreasure Data CDPに一元化し、表のWebサイトでの表示に関わる部分を切り離すことで、柔軟なマーケティング施策の実行を可能にした。

Treasure Data CDPの活用範囲の違い。トレジャーデータの資料を基に、編集部で作成した
Treasure Data CDPの活用範囲の違い。トレジャーデータの資料を基に、編集部で作成した

 こうした新たなマーケティング基盤の構築により、スピード感のあるマーケティング施策実行の体制が整った。例えば、ECサイトでカートに商品を入れたものの購入を完了せず離脱した顧客に対して、翌日にその案内をWebサイトに表示するといった施策も可能になる。従来も時間をかければできた施策ではあるが、実行までにかかる時間を大きく圧縮できた。

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