東芝テックとRetail AIは2022年10月7日、レジ機能付きカートを使った実証実験を始めると発表した。東芝テックの小売流通事業者向けクラウドサービス「ELERA(エレラ)」とRetail AIのレジ機能付きカート「スマートショッピングカート」を連携し、スーパーマーケットなどの小売店の利便性向上や省力化に取り組む。

Retail AIの永田洋幸CEO(最高経営責任者)と東芝テックの大西泰樹常務執行役員(右)
Retail AIの永田洋幸CEO(最高経営責任者)と東芝テックの大西泰樹常務執行役員(右)
(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 Retail AIはスーパーやディスカウント店を展開するトライアルホールディングスの子会社。Retail AIが開発したスマートショッピングカートは、客が自らカートに付属するスキャナーで商品バーコードを読み取ってキャッシュレス決済する仕組みだ。通常のレジでの商品登録や会計の手間を省けるのが特徴で、客の属性や購買履歴データを基にした商品のレコメンド機能も備える。2022年10月7日時点で日本国内では100店舗が1万247台を導入しており、月間180万人が利用する。

 ELERAは東芝テックが展開する小売流通事業者向けサービス。オープンAPIにより社内外で開発したマイクロサービスをクラウド上に統合し、導入事業者に提供する。

 東芝テックはPOS(販売時点情報管理)システムの世界シェア首位で、国内でも約5割のシェアを握る。Retail AIは東芝テックが持つ顧客層やサポート体制を活用してスマートショッピングカートの導入を広げる。東芝テックはELERAのサービス拡充を図りつつ、Retail AIからレジ機能付きカートの店舗運営への組み込み方をはじめとしたノウハウを得る。

 両社はまず複数の小売事業者との実証実験で、スマートショッピングカートがどの程度売り上げや生産性の向上に役立つかに加えて、最適なデータ管理方法や海外展開の可能性などを検証し、2023年春以降にELERA上でのスマートショッピングカートのサービス提供開始を目指す。