個人データを安全に活用するためのプライバシー保護技術である「プライバシーテック」に取り組むスタートアップのAcompany(名古屋市)、EAGLYS(東京・渋谷)、LayerX(東京・中央)の3社は2022年8月24日、共同で「プライバシーテック協会」を設立したと発表した。

プライバシーテック協会の設立発表会の様子
プライバシーテック協会の設立発表会の様子
(写真:日経クロステック)
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 米国ではGoogle(グーグル)やApple(アップル)などの巨大IT企業がプライバシーテックの研究に力を入れる動きがあり、欧州でも議論が活発化する。一方、日本では技術に関する知識の共有が不十分との課題感がある。活用できるデータを増やすには、プライバシー保護技術の強化が必須だ。同協会では、個人情報保護法など現行の法律と技術の関係整理、新たなルールメーキングに向けた検討・提言などの活動を展開していく。アドバイザーとして、「秘密計算研究会」など匿名化や秘密計算の研究開発に取り組む竹之内隆夫氏や、ひかり総合法律事務所の板倉陽一郎パートナー弁護士が参画する。

 同協会の前身は、2021年6月に設立された「秘密計算コンソーシアム」という。プライバシーテック協会の会長を務めるAcompanyの高橋亮祐CEO(最高経営責任者)は「(前身の)コンソーシアムでの活動を踏まえたうえで、政府への提言など活動の幅を広げるためだ」と協会設立の背景について語った。