全2928文字

 ビックカメラが今夏をめどに新会社を設立し、数百人規模のITエンジニア採用に乗り出すことが、日経クロステックの取材で2022年6月15日までに分かった。新会社はビックカメラと異なる人事制度を取り入れ、ITエンジニアの市場に合わせた給与体系や勤務形態を用意する。デジタル戦略の推進へ社内でエンジニアを抱え、システム開発の内製に大きく舵(かじ)を切る方針だ。

 2022年6月13日、ビックカメラがぶち上げた「DX宣言」と題したリリースが、世間の注目を集めた。家電量販業界のみならず、IT業界からも耳目を集めたその訳は、リリースにアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)とセールスフォース・ジャパンの2社が名を連ねていたからだ。

ビックカメラが2022年6月13日に発表した「DX宣言」のリリース
ビックカメラが2022年6月13日に発表した「DX宣言」のリリース
(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
関連記事 ビックカメラが数十億円投じAWSとSalesforceを全面採用、内製化でDX推進へ

 実はAWSジャパンとセールスフォース・ジャパンの2社が事業会社のリリースにそろってコメントを寄せるのは国内で初めて。世界を代表するIT企業である両社の米国本社は、日本法人における情報発信にもとりわけ厳しいことで知られている。

 この2社がリリースに名を連ねたのは、「ビックカメラのDX(デジタルトランスフォーメーション)を全面的に支援する」という意思の表れといえる。ビックカメラは2社のバックアップのもと既存のIT環境を刷新し、内製化を進めてDX戦略を本格稼働させる。ビックカメラの投資額は優に数十億円に及ぶ。

ビックカメラがITエンジニアを採用し、情報システムの内製化に乗り出す
ビックカメラがITエンジニアを採用し、情報システムの内製化に乗り出す
(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]