NEW2022年07月22日

ポイ活って何?~物価高に「ポイント」で対抗!?~

家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる「消費者物価指数」が発表されました。先月・6月の指数は、去年の同じ月を2.2%上回り、10か月連続で上昇。身の回りでいろんな物の値段が上がってますよね。こうしたなか少しでも生活を楽にしたいと、いま広がっているのがポイントをためる活動、略して「ポイ活」です。どれくらいお得なのか調べてみました。※10月28日に記事を更新しました

赤木キャスター
赤木キャスター

ポイントって、スーパーやドラッグストアで買い物するとたまるものですよね。それが「活動」になるんですか?

はい。よく知られているのは、買い物の際にポイントカードを出すともらえるもの、また通販サイトや電子マネーを利用するともらえるものがあります。

でも実は買い物以外にもポイントをもらえるサービスはいろいろあるんです。たとえばレシートの写真をスマホで送ったり、スマホを持って移動したり、ある企業のサービスの資料請求をしたり、いま「ポイ活」の手段は広がっているんです。

長野記者
長野記者
赤木キャスター
赤木キャスター

具体的にはどのようにポイントを集めているのでしょうか?

実際に「ポイ活」をしている人に話を聞きました。

ポイントがたまる通販サイトや、ポイントがもらえる広告などが1つにまとまった「ポイントサイト」を見ているそうです。サイト上での広告の動画を見たり、クイズに答えたり、いつも利用する駅の口コミを書いたりしてポイントを集めているということです。1か月に2000円から3000円相当のポイントをためられると話していました。

ポイントサイト大手の「モッピー」を運営する会社が、利用者3万人を対象に行った調査では、このところの物価高がきっかけで「ポイ活」を始めた人は、全体の16%ほどを占めているということです。

長野記者
長野記者
赤木キャスター
赤木キャスター

買い物をするだけでなく、口コミを書いてもらえるポイントがあるんですね。
でもどうしてこういうサービスがあるんですか?

ポイントサイトを運営する会社は、利用者から口コミなどのデータをもらったり、広告の動画を見てもらったりする代わりに、ポイントを渡しています。

そして広告主などの企業から広告料などをもらうことで利益を得ているんです。

わたしが実際に使ったアプリでは、ドライヤーや冷蔵庫といった身の回りのものの写真をスマホで撮影して送るとポイントがもらえました。

写真を送る際には、自分の年代や性別などの情報も送ります。

それと送った写真がひもづくことで、どういう人がどういうものを使っているかがデータとしてわかるようになります。

企業はそのデータをもとに、どんな商品を開発したらいいか、マーケティングに活用しているわけです。

長野記者
長野記者
赤木キャスター
赤木キャスター

ドライヤーの写真1枚がそんな価値を持つんですね。

たしかに1枚では何の意味も持ちませんが、それが何千枚何万枚と集まれば、年代や性別ごとの好みや傾向がわかる、立派なデータになります。

実際に、ある家電メーカーを取材しました。

新しいホットプレートを開発するために、およそ1万枚の写真を集め、傾向を分析しました。

すると箱や袋にしまわれたままの状態で撮影された写真が多かったそうです。

つまりふだんホットプレートがあまり使われていないことがわかったんです。

そこで会社では、サイズを従来の4分の1に小さくした商品を開発。

テーブルなどに置ける大きさにして、日常的に使いやすくしました。

そして去年、試験販売を行ったところ、想定の2倍の、およそ3000台が売れたそうです。

家電メーカー 橋元伸太郎さん

「写真を集めることで各家庭のリアルを収集できる。ここに大きなメリットがある。
製品開発に生かしていくことで、ユーザーの希望に合った商品をどんどん市場に出すことができる」

長野記者
長野記者
赤木キャスター
赤木キャスター

消費者にとってはポイントがたまり、企業の側もデータを利用して開発につなげられる、いいことずくめのような気がしますが、取材してどう感じましたか?

たしかに物価高のなか、ポイントを得て家計の足しにできるのは大きいと思いました。

ただ一方で、注意点もあります。

ポイ活に詳しい経済ジャーナリストの酒井富士子さんは、次の3点を挙げています。

経済ジャーナリスト 酒井富士子さん

①時間を決める。
②むだな買い物をしない。
③関心ないものに手を出さない。

まず口コミを書いたり、広告の動画を見たりするには、それなりに時間がかかりますよね。

なので自分の中でルールを決めること。

たとえばポイ活は通勤時間中に行うとか、やりすぎないように気をつけたほうがいいと話していました。

そして2つめ。

「ポイント2倍」といった期間限定のキャンペーンがあると、つい必要でないものを買ってしまいますが、それでは本末転倒ですよね。

ポイントをためるために、むだな買い物をしないよう気をつけてください。

そして最後の注意点は、ポイントをもらうために、関心のないサービスの資料請求などをしないことです。

たとえば不動産会社に資料請求をしたら、何度も勧誘の電話が来たという事例もあります。

トラブルを防ぐためにも、関心がないサービスには手を出さないことが大事です。

長野記者
長野記者
赤木キャスター
赤木キャスター

お得なポイ活ですが、それに振り回されちゃだめってことですね。

手軽にお小遣い稼ぎができる一方、のめり込みすぎると貴重な時間を奪われることにもなりかねません。

またなかには消費者の心理につけ込む詐欺まがいのサービスもあります。

そうした点に注意しながら、うまく生活の中に取り込んでいくのがいいかもしれません。

長野記者
長野記者