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阪急阪神HD/デジタルマーケティングにSAPの顧客ID管理システム活用

2022年07月21日 13:10 / IT・システム

SAPジャパンは7月21日、阪急阪神ホールディングスの「阪急阪神DXプロジェクト」におけるデジタルマーケティングを支えるツールとして、顧客ID管理の「SAP Customer Data Cloud(エスエーピー・カスタマー・データ・クラウド)」が採用されたと発表した。

阪急阪神ホールディングスは、中期計画にて「阪急阪神DXプロジェクト」を推進し、デジタル技術を活用して既存事業の収益力、生産性の向上を図っている。

その一つに、リアル空間をデジタル空間上に再現した「デジタルツイン都市」構想がある。同社は、第1弾として、2021年3月に阪神甲子園球場をデジタル空間に再現した3Dの「デジタル甲子園」において、「Withコロナ展示会 in デジタル甲子園」を開催した。デジタル空間の甲子園球場で商品を展示・商談してもらう企業展示会で、企業がブースを出展し、参加者は3Dアバターの姿で出展企業の担当者と商談をしたり、オンラインセミナーに参加したりできるものだった。

また、2022年3月に開催し、延べ約7万人を集客した「JM梅田ミュージックフェス(ベータ)」に続き、同社は、大阪・梅田の街をメタバース(インターネット上の仮想空間)に再現した「JM梅田(Japan Multiverse 梅田)」において、バーチャルイベント「JM梅田ミュージックフェス2022 SUMMER」を7月23日から開催。来場者はアバターを通じて参加し、音楽ライブのほか、トークショーなどの各種イベント、ブース展示、グッズ販売など、メタバースならではのさまざまなコンテンツを楽しめる。

これらのデジタルツインやメタバースの参加者のID管理に、「SAP Customer Data Cloud」を利用している。顧客のIDとそれに関連するプロファイル、プリファレンス、オプトイン、オプトアウトなどを管理している。

「SAP Customer Data Cloud」を利用することで、複数サイトやアプリのIDなど、ばらばらに管理されている顧客IDを統合し、顧客プロファイルを新鮮に保ちながら一元的に管理すると同時に、顧客が主体となった同意管理も可能。顧客との関係強化とコンプライアンス対応の両方を実現していく。

同社では、グループが提供するサービスの顧客IDをグループ内で共通化することで、顧客データを統合し、幅広いデジタルマーケティングを推進していく「阪急阪神グループ共通ID」構想を進めている。

この顧客IDを中心としたブランドとして「HH cross」を2022年5月に立ち上げており、無料Wi-Fiサービスのインフラを中心に、デジタルツイン、メタバース、動画配信プラットフォームを含め、各事業のサービスの顧客データをグループ内で統合管理・分析することで、積極的なデジタルマーケティングを展開する予定だ。

これにより新規サービスを推進するとともに、顧客のライフステージの変化に応じた情報発信を拡充し、一人一人が求めるサービスの提供が可能になるという。

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