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ユニリーバ、持続可能性とデジタルチャネルに重点投資

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CBINSIGHTS
日用品大手の英ユニリーバが持続可能な事業やデジタルチャネルの開発に力を入れている。同社が過去3年間で買収、出資、提携した企業を分析したところ、「代替&バイオテック原料」や「持続可能なパッケージ」など環境に配慮した事業と、消費者に直接販売する「D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)」や「インフルエンサー&マーケティングテック」などネットを通じて消費者と密接な関係を築く事業に重点投資していることがわかった。
日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

英ユニリーバは消費財業界の卓越したリーダーだ。2021年の売上高は520億ドルを超え、世界の人口のほぼ半数が同社の製品を毎日使っている。

ユニリーバの投資の大半は持続可能で健康を重視した製品ラインアップの構築に集中しているが、新たなデジタルチャネルや持続可能な事業への移行にも取り組んでいる。

こうした動きは同社の以下のような戦略目標に沿っている。

・30年までに事業での二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを達成する

・25年までに全てのパッケージをリサイクルや再利用、堆肥化可能にする

・30年までに製品の全ての原料を生分解性にする

・オムニチャネル(ネットと実店舗を統合した販売方法)とデジタルチャネルを成長させる

ユニリーバはネットなどで消費者に直接販売するD2C企業からインフルエンサーやマーケティングに関するテクノロジーまで、自社のバリューチェーン全般に資金を投じている。これにより消費者とさらに緊密な関係を築き、小売りを通じた販路よりも消費者から多くのデータを直接収集できるようになる。こうしたデータは新製品開発のヒントになり、ユニリーバのマーケティングとパーソナライゼーションの強化を支える。

今回はCBインサイツのデータを活用し、ユニリーバの19年6月以降の買収、出資、提携から6つの重要戦略を突き止めた。この6つの戦略でのユニリーバとのビジネス関係に基づき、企業を分類した。

・代替&バイオテック原料

・デジタルヘルス

・D2Cビジネス

・インフルエンサー&マーケティングテック

・オンデマンドデリバリー&サービス

・持続可能なパッケージ

代替&バイオテック原料

ユニリーバが掲げる目標の一つは、23年までにパーム油や紙などの原料で森林破壊を引き起こさないサプライチェーン(供給網)を確立することだ。これを果たすため、多くの企業と連携して食品やホームケア、パーソナルケアなどの分野で新たな代替原料を探っている。

例えば、22年6月にはバイオテクロノジー分野のスタートアップ、米ジェノマティカ(Genomatica)と提携した。両社は新たなベンチャー企業を設立し、パーソナルケアや洗剤の原料になるパーム油などの植物由来の代替品について調べる。

21年4月には、CO2を転換する米ランザテック(LanzaTech)と共同で、排出されたCO2を回収して界面活性剤を製造すると発表した。これは過去に例のない試みとなる。ユニリーバはこれを洗剤に活用する。

デジタルヘルス

ユニリーバは健康を重視したポートフォリオにあえて移行している。例えば、植物由来の食品とサプリメントを自社事業の高成長分野、さらには消費者の健康を全面的に支援することになると位置付けている。

デジタルヘルスでの活動も加速しており、ここ2~3年でこの分野のスタートアップ4社に出資・提携している。

特に力を入れているのはアジアのフィットネステックのようだ。19年6月にはインドのキュアフィット(Curefit)、21年7月にはシンガポールのヘルシファイ・ミー(HealthifyMe)に出資した。

20年にはメンタルヘルス分野のスタートアップ、英イーキュー(eQuoo)と提携し、ヘアケアブランド「クリア」の販促キャンペーンでイーキューのメンタルヘルスゲームのアプリを提供した。

こうした動きは、ユニリーバが消費者とより緊密な関係を築き、継続的につながる方法を見いだすのを支えるだろう。

D2Cビジネス

食品の世界最大手ネスレ(スイス)と同様に、ユニリーバはデジタル販売のノウハウを確立し、消費者と直接関係を築く一方で消費者のデータを集めるために、D2C企業の買収・出資をしている。

主に重点を置いているのは美容&パーソナルケア、サプリ、食品・飲料部門だ。

ユニリーバは科学やテクノロジーによって他社と差異化し、電子商取引(EC)を成長させる計画を明らかにしている。科学的に証明された製品を手掛けるD2Cスタートアップの買収や投資活動はこの目標に沿っている。

直近では、育毛サプリを手掛け、その効果を裏付けるために臨床試験を活用している米ニュートラフォル(Nutrafol)を買収した。

21年6月には、科学的に証明された成分に基づく美容製品やスキンケア製品を手掛ける米ポーラチョイス(Paula's Choice)を買収した。ユニリーバは今後数年で、高級美容部門を30億ドルの事業に育てる方針だ。

ユニリーバ・ベンチャーズも22年に入り、D2Cの生理用品ブランドの米ラエル(Rael)やD2Cスキンケアスタートアップの印ピュアプレイ・スキン・サイエンシズ(Pureplay Skin Sciences)に出資している。

インフルエンサー&マーケティングテック

消費財メーカーであるユニリーバの最重要課題の一つは、消費者に到達する新たな方法を見いだし、消費者にアピールする製品を開発することだ。そこでインフルエンサーやマーケティングのテクノロジーに資金を投じている。

21年にはインフルエンサーマーケティングのプラットフォームを運営する米クリエイターIQ(CreatorIQ)のシリーズCと、様々なSNS(交流サイト)プラットフォームのコミュニティーの収益化を支援する印コンボサイト(Convosight)のシリーズAに参加した。

20年には、消費者のオンラインでの購買行動に関するデータを収集してデジタル販促キャンペーンを打つため、中国のアリババクラウド(Alibaba Cloud)との提携を発表した。

将来的には、ソーシャルコマース(商品の購買機能を備えたSNS)の関連テクノロジーやこの分野のスタートアップに投資・提携する可能性がある。ユニリーバはソーシャルコマースを活用したい意向を示している。

オンデマンドデリバリー&サービス

消費者の利便性への志向は弱まるどころか、強まるばかりだ。人手不足やサプライチェーン危機、宅配サービスの需要の高まりなどの問題やコスト上昇にもかかわらず、食品・料理宅配業界は成長し続けており、21年の資金調達額は280億ドルに上った。

こうした状況を受け、ユニリーバは消費者が製品をより速やかに得られる手段を探っている。

直近では、消費者の依頼に応じて自動運転ミニバンを改造したスーパーを自宅まで派遣するサービスを提供する米ロボマート(Robomart)と提携した。米ロサンゼルスの消費者に新しく便利なアイスの買い方を提供している。

イスラエルのフライトレックス(Flytrex)とも提携し、まずは米ノースカロライナ州でドローン(小型無人機)を使って特定のアイスをわずか3分で配達している。

生鮮食品の宅配スタートアップ、印ミルクバスケット(Milkbasket)の5回の資金調達ラウンド(直近では20年5月に実施)や、訪問理美容サービスのプラットフォームを運営する英ブロー(Blow)の2回のラウンドにも参加している。

持続可能なパッケージ

持続可能なパッケージは消費財各社の重要課題になりつつある。ユニリーバは他社と最も活発に提携している企業の一つだ。

同社は21年だけで、パッケージなどの持続可能な取り組みに携わる企業少なくとも7社とのビジネス関係を発表した。包装事業などを手掛ける英モンディ・グループや紙製ボトルの開発に取り組む英パルペックス(Pulpex)、花王などがその一部だ。

ユニリーバが最も活発に活動している分野の一つは詰め替え可能な容器だ。これにより消費者と継続的なつながりを生み、他社の商品に移るのを防ぐために囲い込む効果がある。チリのアルグラモ(Algramo)や英スーパーのアズダ(Asda)と詰め替えステーション技術の実証実験などに取り組んでいる。

ここ数年はリサイクルテックも熱心に探っている。20年にはサウジアラビアの石油化学大手サウジ基礎産業公社(SABIC)と提携し、食品ブランド「クノール」向けの再生ポリプロピレン容器を開発した。

その他

ユニリーバはこの6つの重要戦略だけでなく、他の分野でも注目すべき投資や提携、買収をしている。これも同社の重要戦略に沿っており、消費者にさらに近づいている。

愛着心&報酬テック:ユニリーバは19年6月以降、愛着心(ロイヤルティー)&報酬(リワード)テックのスタートアップ、英ウィーギフト(WeGift)に3回出資している。消費者がリサイクルするとご褒美を提供するスウェーデンのバワー(Bower)とも提携している。

店舗運営テック:ユニリーバ・ベンチャーズは21年6月、レジなし決済を手掛ける米グラバンゴ(Grabango)のシリーズB(調達額3900万ドル)に参加した。インドの零細店舗「キラナ」のデジタル化を手掛ける印カタブック(Khatabook)や、顧客一人ひとりに応じた販促情報を提供するためにリアルタイムの販売分析や需要予測、消費者に関する知見を提供する販売・バスケット分析プラットフォームの米スクーポス(Skupos)など中小企業を対象にしたスタートアップにも出資している。

サプライチェーン&物流テック:ユニリーバはサプライチェーンのトレーサビリティー(履歴の追跡)を重視するようになっている。22年3月にはソフトウエア大手のドイツのSAPと共同で、パーム油のサプライチェーンを対象にしたブロックチェーン(分散型台帳)システムの開発に取り組むと発表した。衛星データ解析の米オービタル・インサイト(Orbital Insight)とも連携し、ユニリーバの広範なサプライチェーンを追跡して提携農家が環境基準を守り、森林破壊を引き起こさないようにしている。

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