NTTデータ、9万5000人分の医療データを不適切に取得
NTTデータは20日、一般社団法人ライフデータイニシアティブと進めている医療情報の分析事業で、医療機関から患者約9万5000人の医療情報を不適切に取得していたと発表した。医療データの取得時に必要な患者本人への通知をしていなかった。
通知が完了していない患者を区別する仕組みがシステムになかったためという。取得した医療データは統計処理や匿名加工処理されており、個人情報は含まれていない。NTTデータは同事業を休止し、内閣府など関係各所に状況を報告した。事業の再開は未定としている。
同事業は電子カルテなどの医療情報を病院などから収集し、分析結果を研究機関や製薬企業に販売する。医療の研究や医薬品の開発などに役立てる事業として、国民の医療情報を研究開発に活用する「次世代医療基盤法」に基づいて実施した。
NTTデータなどが蓄積した医療データは国内最大規模で、2022年8月末時点で168万人分あった。NTTデータは「関係の皆様に多大なるご心配をおかけいたしますことを深くおわび申し上げます」とコメントしている。