企業のメタバース活用「1年以内に爆発か」 PwC調査
1年以内にメタバース(仮想空間)のビジネス活用を目指す企業は5社に1社――。PwCコンサルティングは7日、メタバースの企業利用に関するメディアセミナーを開き、利用意向と課題について解説した。2022年3月10~18日、1085社を対象にメタバースのビジネス利用の実態と課題を探るインターネット調査を実施した結果に基づいて述べた。
この調査によると、メタバース活用を「検討中」「予算化済み」「具体的な案件を推進中」と回答した企業は合計で410社と、38%を占めた。このうち約半数、つまり全体の約18%に当たる198社が1年以内の実現を目標としており、「メタバースをビジネスに活用する企業が爆発的に増える可能性がある」(PwCコンサルティングの長嶋孝之ディレクター)。
ただし1085社にメタバース活用に向けた課題を聞いたところ「導入する目的の明確化」と回答した企業が28.6%、「費用対効果の説明」が26.4%を占めた。「メタバースをビジネスに活用することに積極的な企業がある一方で、活用イメージがいまだ明確になっていない企業も多いことがうかがえる」と長嶋ディレクターは話す。
PwCコンサルティングの奥野和弘ディレクターは「まずは経営者が自らメタバースを体験することが非常に重要だ」と指摘する。メタバースという、まだ先行きが見通しづらい新規分野において有望な領域を見極めるには、経営者自らが体験し、利用者のニーズや技術の可能性を肌で感じる必要があるためという。「小さな取り組みから始めて、効果を見ながら活用範囲を拡大するといったアジャイル的な進め方」(長嶋ディレクター)も大切という。
(日経クロステック/日経コンピュータ 杉山千織)
[日経クロステック 2022年6月7日掲載]
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