商品開発も棚もデータが決め手 テックで消費が変わる
2022年度、ビジネスここがポイント
インターネット通販が定着し、長引く新型コロナウイルス禍で消費の姿が大きく変わっています。メーカーや卸、小売業は、消費者の興味や関心のトレンドをいち早く捉えようとしています。それを支えるのがデジタルマーケティングや、店舗のデジタルトランスフォーメーション(DX)などの消費テックです。消費テックの最前線はどうなっているのか。参考になる記事を選びました。(渡辺絵理、内容や肩書などは掲載当時のものです)
もっと売れる商品棚を
消費テックは商品開発から広告、小売店の売り場にまで変化をもたらしています。ヤクルトは売り場の天井にカメラを設置し、その画像を解析しています。商品を買ったのはどのような人か、どのぐらい商品に触れたか、棚の前にどの程度滞在したかなど行動を調べ、もっと商品が売れる商品棚の配置を提案しています。ネット広告は閲覧履歴などを利用した「ターゲティング(追跡型)広告」から、より広告効果を高めようとする動きが相次いでいます。
食品卸がDXの要に
米国ではウォルマートなど大手小売企業がメーカーと直接取引するのが一般的です。日本は各地に中小スーパーやメーカーが数多くあり、両社を食品卸企業がつないでいます。食品卸は、中小のスーパーの店舗や流通のDXを進める要ともなっています。食品卸大手の日本アクセスはクーポンを配信するアプリや、販売情報をリアルタイムでメーカーとスーパーが共有する仕組みを提供しています。
D2C誘致し「体験型」店舗に
小売りの現場では、無人店舗や消費者の行動データなどを基にしたマーケティングの重要性が高まっています。丸井グループはダイレクト・トゥー・コンシューマー(D2C)と呼ばれるネット通販企業を次々と誘致し、「体験型店舗」に転換しようとしています。新宿マルイに入居する最新家電などの体験施設「b8ta(ベータ)」は、人工知能(AI)カメラが来店客の行動を追います。商品の前に滞在した人の数や、スタッフが商品デモをした回数などを解析し、データを出品企業に提供して商品開発に役立てています。
【2022年度、ビジネスここがポイント】
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