ポイントをもらえる理由 個人情報と交換も
ポイント賢者への道(276)
私たち消費者は店舗のレジでポイントカードを提示し、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を選ぶことで、ポイントの二重取りができます。
では、店舗がポイントカードやキャッシュレス決済を導入する理由はどの辺りにあるのでしょうか。
まず、キャッシュレス決済です。キャッシュレス決済を導入した店舗は、現金を受け取らずに商品を渡したり、サービスを提供したりします。そして後日、キャッシュレス決済の提供会社から店舗側にお金が振り込まれます。
この際、キャッシュレス決済会社が店舗に振り込む金額は、手数料分を差し引いた金額です。手数料の一部が消費者にポイントなどとして還元されるわけです。消費者にとってはキャッシュレス決済にしたほうが現金よりもお得ですが、店舗側は手数料分、収入が減ることになります。
一方、ポイントカードは店舗で売れた商品とポイントカードに登録されている情報を組み合わせて店舗がマーケティングに利用するために導入されています。
レジではどの商品がどれだけ売れたかは分かりますが、どのような人が買ったのかまでは分かりません。以前はコンビニのレジに客層を分類するボタンがあったようですが、今ではほとんどのコンビニでポイントカードがこの機能を代用しています。
ポイントカードの登録情報と商品の売り上げ情報をひも付けることで、年齢層や性別、居住エリアなどから詳細な分析ができます。つまり私たち消費者は個人情報と引き換えにポイントという特典をもらっていることになります。
キャッシュレス決済とポイントカードによって同じようにポイントを獲得できますが、受け取るポイントの意味合いは異なることを知っておきましょう。
北海道札幌市出身。1998年に法政大学工学部を卒業後、NTTに入社。社内システムやLモードの料金システムの開発などに携わり、2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。06年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、11年3月代表取締役に就任。一般からプラチナまで、57枚のクレジットカードを所有。