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脱炭素 一気に切迫感 「産業革命」強い意思で

NIKKEI脱炭素(カーボンZERO)委員会 第1回円卓会議

(更新)
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日本経済新聞社は、世界が本気で目指す脱炭素社会の実現を確実にサポートしていくため「脱炭素プロジェクト」を始める。NIKKEI脱炭素(カーボンZERO)委員会を発足し、第1回の円卓会議を開いた。経済社会の構造転換は待ったなしで、官民挙げた総力戦の様相だ。細かい取り組みの積み上げに加え、新技術による変革も欠かせない。こうした動きを同委員会を通じて国内外に発信していく。

46%削減 待ったなし COP26で関連イベントも

カーボンZERO委員会は日経が進める脱炭素プロジェクトで中核を担う組織。東京大学未来ビジョン研究センターの高村ゆかり教授を委員長に、日経の安藤淳・編集委員兼論説委員を含め合計9人の専門家で構成する。

第1回の円卓会議は4月、新型コロナウイルスの感染対策を徹底した上で開催した。日経の平田喜裕専務は冒頭のあいさつで「カーボンニュートラルへの挑戦が、ここにきて一気に切迫感を増してきた」と強調。日本の現状について「電力に関する規制やルールを抜本的に見直して再生可能エネルギーを増やし、産業構造を大転換していかなければならない」と述べた。

プロジェクトに関する情報発信には、英フィナンシャル・タイムズを含む日経グループのアセットを活用する。新型コロナの感染状況次第だが、11月に英グラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)にあわせ現地で関連イベントを開き、世界に向けて直接発信していく考えも示した。

この関連イベントについて高村氏は「日本企業の様々な取り組み、問題意識を日本のみならず、英国、そして世界に発信していくものにしたい」と訴えた。COP26に先立ち10月には国内でシンポジウムを開いて「このプロジェクトから発信することで、COP26に向けて社会の関心を高めたい」と強い意欲を示した。

円卓会議の開催は、バイデン米政権が主導した気候変動サミットで菅義偉首相が2030年度までに温暖化ガスを13年度比で46%削減する野心的な目標を表明した直後でもあり、各委員からは実現に向け官民が覚悟を持って大きな社会構造の転換に迅速に挑むべきだとの意見が相次いだ。

あわせて、プロジェクトの参画企業8社が自社の取り組みや今後の活動について説明した。

企業イメージ調査実施へ

このプロジェクトを通じ、カーボンZERO委員会は21年度に円卓会議を6回開く方針だ。また、Fridays For Future Japan、Climate Youth Japan、ユースエコネットの3団体と協力し、学生・若手社会人を招いて意見交換のユース対話会も実施する。

3団体はそれぞれ気候変動問題や環境保全活動に取り組んでいる若者のネットワークを持つ組織だ。政府や企業の視点だけでなく、次世代を担う人材の意見も取り込み、炭素ゼロ社会の実現に向けて幅広い世代の参加を促すことで、世論喚起や機運醸成に役立てる。

10月に開くシンポジウムではCOP26に向けて社会の関心を高め、炭素ゼロ実現に必要な意識改革につなげ、COP26の関連イベントでの情報発信に弾みを付ける。あわせて年度末にも、1年間のプロジェクト活動報告を兼ねたシンポジウムを国内で開く計画だ。

産業界の取り組みを加速させることを目的に、日経リサーチによる大規模な企業イメージ調査も実施する予定だ。

まず日経の独自調査や外部・第三者機関の評価に基づき300社程度を抽出。そのうえで一般、ビジネスパーソン、若者層、環境団体、アナリスト、海外といった多様なステークホルダーにより多角的に評価する。100社程度に絞り込んでから、脱炭素の活動に関する実績などを加味してランキングを作成する。

ランキングとは別に、優良企業の表彰制度新設も検討している。先進的な企業の紹介で知見を広く共有し、日本の構造転換に貢献していく。

参画企業コメント

循環型の経営 根底に 住友林業サステナビリティ推進室室長 飯塚優子氏

1691年の別子銅山(愛媛県)開坑に伴い、製錬用燃料や坑木に使う木材調達のために創業して330年。1894年に打ち出した大造林計画では多い年に200万本を植林し、荒廃していた別子銅山を青々とよみがえらせた。木を切って使い、また植える循環型の森林経営が根幹にある。

事業は木材建材の製造流通や木造建築、木質バイオマス発電に広がったが、国内外の森林事業と再生可能エネルギー事業はグループ売上高の2%にとどまるのが実情だ。

2030年の先にある脱炭素社会に向けたアクションを社内で議論している。年度ごとの枠内で報告する測り方や見せ方も重要だ。幸いなことにおおむね高い外部評価を得ているが、森林価値の金額換算など見える化を関係者と進め、取り組みを加速させたい。

気候変動対策で新組織 三井住友海上火災保険経営企画部気候変動対策チーム部長 沖宏治氏

グループのミッション(経営理念)で表明している「地球の健やかな未来を支える」取り組みの一環として、気候変動に全社を挙げた体制で臨むべく、経営企画部に気候変動対策チームを4月に設置した。

風水害による保険金支払額で上位10件のうち半数は直近3年以内に発生したものであり、自然災害の甚大化・頻発化は当社のビジネスにも大きな影響を与えている。

スタートアップ企業と連携した最新の知見に基づき、気候変動が事業に与える影響を評価するサービスを提供するなど、ビジネスモデルは災害が発生した場合の経済的負担を小さくする保険のもとの機能に加え、防災・減災に向けた取り組みに拡大した。気候変動の緩和と適応の両面から解決を図り、脱炭素社会への移行に貢献していく。

「炭素ゼロ」に3つの柱 関西電力理事地域エネルギー本部副本部長 桑野理氏

「ゼロカーボンビジョン2050」を2月に策定した。エネルギー自給率の向上に努めつつ、事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)排出を2050年までに全体としてゼロにする。①デマンドサイドのゼロカーボン化②サプライサイドのゼロカーボン化③水素社会への挑戦――の3つを大きな柱に据えて取り組む。

ビジョンの実現に向けて3月には足元5カ年の実行計画として関西電力グループ中期経営計画を策定し、ゼロカーボンへの挑戦を掲げた。取り組み全体を統括・推進するゼロカーボン委員会も4月に発足させている。

これに先立つ1月に脱炭素ソリューショングループを設け、主に法人顧客のロードマップ策定からエネルギーマネジメントサービスまで、ゼロカーボン化実現のソリューション活動を強化した。

共創生み出す議論を サントリーホールディングス執行役員コーポ―レートサステナビリティ推進本部長 福本ともみ氏

2050年ネットゼロをビジョンに掲げた。社内で「本当に達成できるのか」といった議論を経て「それでもやらなければいけない」と結論付けた。これまでの延長線上では達成できない高い目標に社内外が一致団結して取り組み、イノベーションを起こしていく。

今夏には北アルプス信濃の森工場という当社初のカーボンゼロ工場が稼働する予定だが、目指すのはバリューチェーン全体でのネットゼロだ。ペットボトルのリサイクルや競合他社との共同配送に加え、サプライヤーとの共創も重要になる。

脱炭素社会への移行というのは、まさに社会経済システムの転換だ。個社の努力のみでは解決できない課題について有識者を交えて議論し、内容を発信していくことで国をも動かし、共創が生まれてくるのではないか。

エネ構造転換にも貢献 大和証券デット・キャピタルマーケット第3部SDGsファイナンス課長 清水一滴氏

2018年度にSDGs推進委員会を設け、事業を通じてSDGsに資することを明文化。証券会社として国内初のグリーンボンドを発行し、再生可能エネルギーへの投融資やグリーンビルディング建設も進めている。

グリーンボンド発行に伴い設立した子会社を通じて、国内での太陽光発電やバイオマス発電、海外での洋上風力発電に乗り出した。国内外でエネルギー供給構造の転換にも貢献していく。

本業のファイナンスでは、社債発行を担うデット・キャピタルマーケット部にSDGsに特化した専門チームを設けた。ESGやSDGsに沿った資金調達は大きな流れとなり、その部分で企業の脱炭素に向けた活動を支えていく。国内外のワーキンググループを通じてルールづくりにも尽力している。

蓄電池の活用視野 日本ガイシ理事コーポレートコミュニケーション部長 柴田修氏

二酸化炭素(CO2)削減は1998年から環境リポートで宣言するなどして進めてきた。2005年にはCSR委員会を立ち上げ、環境を含めたCSR活動を展開してきたが、コンプライアンスが中心になっていた。

19年に同委員会をESG会議に変え、今年4月にはESG推進統括部を新設した。50年のネットゼロを目指している。

製造過程では、主にセラミックス特有の焼成で生じるCO2をグループで年間約90万㌧排出している。これをどこまで減らせるか。そして製品を通じてどこまでカバーできるか。自社製品にはメガワット級の大容量蓄電池があり、知名度を高め、世界規模で再生可能エネルギーの利用促進に貢献したい。 50年の目標は非常に高いレベル。問題解決のため議論していきたい。

街づくりはSDGs 三井不動産執行役員広報部長 藤岡千春氏

デベロッパーとして経年劣化ではなく、「経年優化」の街づくりを心がけている。広い意味でSDGsそのものが街づくりだと考え、2018年に長期経営方針を発表した際には、SDGsの推進を経営の最重要課題に位置づけた。中でも脱炭素と女性活躍を含めた働き方に力点を置く。

昨年、50年のカーボンニュートラルを会社として発表した。とにかく目標を掲げることは非常に大切だが、ロードマップを明確に定めることが極めて重要だ。どこまで具体性のあるプランをつくれるかが課題になる。

自社単独では限界がある問題でもある。不動産業界でいえば、建物の建築段階からテナントに貸し出す運用段階まで、関係者との協業や共創なしには実現できないが、やり遂げなければならないと強く感じている。

25年にネットゼロへ EY Japan リージョナル・アカウンツ・リーダー/LTV推進室リーダー 滝沢徳也氏

監査やコンサルティングをしていると「あなたたち自身はどうなのだ」と指摘されることが増えてきた。グローバルでは2020年にカーボンニュートラルを達成。これはネットゼロではなく、オフセットやリムーバルによって実現した。これにとどまらず、25年にかけネットゼロを達成するまでカーボンネガティブでいこうと考えている。

25年ネットゼロ達成の目標は人に 言うからには自らやるとのメッセージで、身の引き締まる思いで取り組んでいる。

ESGやSDGs、脱炭素といった課題を検討していない企業はない。日本国内でやれることでは、中長期ビジョンを設定した上での経営を推奨することだ。企業であれば短期の利益が必要なのは当然だ。あわせて長期の価値をどう実現するか強くサポートしたい。

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