盛岡に「売らない小売店」 岩手銀行とNTT東日本
岩手銀行の地域商社「manorda(マノルダ)いわて」(盛岡市)は、10月にNTT東日本岩手支店1階(同市)に「売らない小売店」とカフェの複合店を出店する。店頭では岩手県内外の産品を展示するのみで販売はせず、来店客の会話や購買行動をデータ化して出展者に販売するのが特徴。県内企業を中心に出展を募り、マーケティングなどに役立ててもらう。
複合店「AZLM コネクテッドカフェ」は面積約68平方メートルの店内に、商品を展示するスペース(幅30センチメートル、奥行き40センチメートル、高さ25センチメートル)を130カ所用意する。来店客が実際に触れたり、試飲・試食して商品を気に入った場合は、その展示スペースに表示するQRコードをスマホなどで読み込み、専用の通販サイトで購入してもらう。
一方で、商品の出展者には店内の人工知能(AI)カメラなどで来店客の動きを追って集めた商品に対する興味や、商品への需要が見込まれる年齢層などマーケティングの参考になる情報を提供する。マノルダは今後、1スペース当たり1カ月1万円(消費税別)で出展者を募る。
今回の出店は、同行とNTT東の連携協定を受けた第1弾の取り組み。市内のメインストリートに面し、現在空きフロアとなっている同支店1階を地域活性化に向けて有効活用する。
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