インターベンションチーム

松山市民病院は

インターベンションに積極的に取り組んでいます。

~インターベンションとは、画像診断装置で体の中を透かして見ながら行う、

体表にほとんど傷を残さない優しい治療です~

 

新インターベンションルーム完成

 最新血管造影装置PHILIPS社製 Azurion 7 B20/15を導入し、8月から稼働開始しました。
 バイプレーンシステムの導入で同時に2方向からの病変観察が可能になり、手技の幅が格段に広がり、少ない造影剤量、低線量での検査が可能になりました。
 今回の導入にあたっては、携わる診療科のすべてのワークフローが改善されるように細部にこだわりました。新装置の性能は14年稼働した旧装置とはすべての面で隔世の感があります。回転撮影からの画像再構成は極めて早く、術者が直接その画像を確認操作し診療に活かせるようにインターフェイスは工夫されています。

脳神経外科

 当科では、今回のDSA装置の更新に伴い血管内治療手技の幅を大きく広げていきたいと考えております。
 脳卒中診療においては、近年パラダイムシフトが起きています。最も大きな変化は脳主幹動脈閉塞症に対する血管内治療の有用性が複数の無作為比較試験で証明された事です。脳梗塞発症から24時間以内であれば、血栓回収療法により症状が劇的に改善する患者様がおられます。
 また、頸動脈狭窄症に対するステント留置術(CASは、脳梗塞の予防的治療ですが、従来の頸動脈内膜剝離術(CEA)に加え、症例に応じて選択ができるようになりました。 
 脳動脈瘤に対するコイル塞栓術も、開頭クリッピング術に比較し低侵襲であり、選択される事の多くなってきた治療法です。
 バイプレーンとなった事により、造影剤使用量や照射量の軽減、治療時間の短縮、ひいては患者様の負担軽減に繋がっておりますが、特に未破裂脳動脈瘤、破裂動脈瘤(クモ膜下出血)に対するコイル塞栓術において、安全性が飛躍的に増したと考えられます。
 また、当科では脳卒中HOTLINEを開設致します。まずは日勤帯からという運用ですが、今後積極的に急性期脳卒中患者を受け入れ、患者様に適切かつ優しい、低侵襲な治療を提供していきたいと思います。

【脳神経外科 清水俊彦】

 

循環器内科

 2021年4月より透析シャントに対するインターベンション治療、閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患に対する血管内治療を循環器内科で施行しています。歩行時に下肢疼痛が出現する患者様のほか、動脈硬化のために下肢に潰瘍や壊疽を形成した患者様の血管内治療も行っています。
 また閉塞動脈硬化症や脳血管疾患などの動脈硬化性疾患のある患者様は、冠動脈にも病変を有していることが多いです。今回の新しい機器では心電図や動脈圧などもモニターすることにより、心臓カテーテル検査にも対応できるようになっています。他疾患で動脈にカテーテルを入れる際には、必要であれば併せて同じ機器で冠動脈も評価を行うことができます。多職種多科で、局所のみにとどまらず全身の動脈硬化の管理を目指していきます。

【循環器内科 髙橋夏来】

   

多科合同による下肢動脈治療の様子

 

放射線科・IVR科

 放射線科のInterventional Radiology (IVR) の領域では、頭から足の先まであらゆる臓器を扱います。
新生物治療、外傷止血、内臓動脈瘤、喀血、肺AVM、門脈圧亢進症とそれに伴う静脈瘤治療、膿瘍ドレナージ、副腎サンプリング、画像ガイド下生検など手技は多様であり、各担当診療科と連携して治療にあたっています。近年は、循環器内科、脳神経外科の手技のお手伝いもさせていただいています。
 この特性から特定の外来枠は設けず、基本的に院内各診療科の依頼に応じるかたちで手技を行っておりますが、担当する治療には常に全力で臨んでおります。適応症例がありましたら各診療科へご紹介いただければ誠心誠意対応します。また、何か御質問などがありましたら直接IVR科までお気軽に連絡いただければ幸いです。最新のハードをとことん使いこなし、今後さらに質の高い医療を患者様に提供したいと考えております。

【放射線科・IVR科 平田雅昭】

放射線科、IVR科の治療例

 

インターベンションルーム

 今回の改修に伴い部屋の面積も広がり、高い天井に改装されました。壁面は汚れても拭き取れる機能的なボードとなっており、衛生面にも配慮しています。窓がなくても明るく、クリーム色を基調とした壁で、開放的な印象の部屋になったと思います。また、治療は同じ姿勢で長時間に及ぶ場合が多いです。
 沢山の機材やモニタ-音などが更に患者様の不安感や緊張感を高めてしまいます。そのような状態において、少しでも安心感が得られるように、患者様が横になった際に見上げる天井面は、暖かみのある木目調デザインを提案しました。
気持ちが和らぐ空間に感じて頂けると嬉しいです。

 

「任せてよかった」のために

 部門間の垣根が低く、お互いに気軽に話ができることは当院のよい特徴の一つと考えています。この風通しの良さにより、自分の部門で不慣れなことは気軽に尋ねることができ、逆もまたしかりです。我々には協力して技術を高め合う環境があります。
 今後この部屋で行われる手技が患者様にどれほど恩恵をもたらすことができるかは、この部屋を使う我々によって決まります。患者様に「任せてよかった」と言ってもらうため各科医師、看護師、放射線技師が連携し、心機一転、日々研鑽に励み、さらに良い医療提供につなげていきたいと考えております。

 

対応する手技

脳神経外科

 未破裂脳動脈瘤、破裂脳動脈瘤(くも膜下出血)に対するコイル塞栓術
 頸動脈狭窄症に対するステント留置術
 急性期脳梗塞における血栓回収療法、血栓溶解療法
 脳腫瘍に対する腫瘍栄養血管塞栓術

循環器内科

 心臓手技全般
 末梢動脈狭窄、閉塞に対する血管内治療
 透析バスキュラーアクセスの治療

放射線科

 肝悪性腫瘍に対する経動脈治療
 泌尿生殖器系塞栓術
 喀血、消化管、鼻出血、外傷、その他の出血に対する塞栓術
 門脈系IVR
 膿瘍などのドレナージ
 内臓動脈瘤に対する塞栓術
 肺AVM 腎AVM など血管奇形に対する塞栓術・硬化療法
 頭頸部がんに対する動注化学療法
 静脈・リンパ系IVR、副腎静脈採血 PICC留置
 その他、お気軽にご相談ください。

 

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