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スマホでピッとセルフ注文、飲食店をDX化 消費トレンド把握にも一役 グローリーが機器発売

2022.10.12
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グローリーが発売する飲食店向けセルフ式注文・決済機の店舗設置イメージ(同社提供)

グローリーが発売する飲食店向けセルフ式注文・決済機の店舗設置イメージ(同社提供)

 貨幣処理機大手グローリー(兵庫県姫路市)は10月末、飲食店向けにスマートフォンを使えるセルフ式注文・決済機を発売する。スマホや衛星利用測位システム(GPS)などを使った昨年開始の新サービスと連動させ、電子商取引(EC)に比べ、把握が難しい消費者の行動把握を推進。飲食・小売店のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を強化する。(大島光貴)

 スマホやパソコンを使ったECは、新型コロナウイルス禍での巣ごもり需要もあって一気に普及。名前など個人情報を切り離した上で、性別や世代といった客の属性、購買履歴を分析するなど販促での活用が広がる。一方、店頭ではポイントカードなどで購買履歴の把握を試みるが、把握は顧客の1割に満たないとされている。

 同社は昨年7月、飲食・小売店向けに顧客の行動データに基づく販促支援サービス「BUYZO(バイゾー)」をスタート。同社はサービス利用や飲食店向け決済機販売などの分野で、2025年度の売上高約190億円を目指している。

 バイゾーでは、資本業務提携する新興企業のアドインテ(京都市)が開発した電波受発信器(ビーコン)を利用各店に設置。スマホ所有者の同意を前提に、GPSの位置情報も集める。

 来店頻度や滞在時間、店内の回遊状況、競合店の利用状況や推定した居住地・勤務地を解析。店側は、行動履歴などのデータに基づいたウェブ広告配信などができる。来店客らも、特売やクーポンなどのお得情報を入手できるメリットがある。

 新たに発売する注文・決済機は20年に買収したフランスの同機製造アクレレック社と共同開発。大きなタッチパネルにメニューを表示し、来店客が希望の商品を選び、その場でスマホなどを使って決済する。

 スマホを通じ、来店者の属性や購入記録、滞在時間などの情報を収集。店側は、バイゾーと連動させた分析や広告配信もできる。スマホでの注文機能も備え、コロナ禍で高まった非対面での接客需要にも応える。