アビーム、CO2排出量の見える化から投資戦略の策定を支援

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アビームコンサルティングとESGテック企業の共同による高品質・充実の基本機能

アビームコンサルティングが、ESGテック企業のPIDとGXマネジメント支援サービスCyanoba(シアノバ)を開始した。「Cyanoba」は複数の報告ルールに対応し外部報告作業を容易にするとともに、多拠点のデータ収集・入力や分析も容易だ。従来の表計算ソフトなどによる業務を効率化し、CO2排出量の見える化から投資戦略の策定まで大きく貢献する。

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2010年省エネ法改正を契機に エネルギー管理サービス開始

日本発グローバルコンサルティングファームのアビームコンサルティングは、2010年の省エネ法改正によって事業者全体のエネルギー管理が必要になったことをきっかけに、いち早く対応するサービスを展開してきた。製造業向けのコンサルティングに長く従事してきた産業インフラビジネスユニットシニアマネージャー、森銅 真一朗氏は「2013年ごろには、大手アパレル企業のスコープ3を含む、国内外の製造委託先を対象としたCO2排出管理を始めました。これは、当時としては先進的な取り組みでした」と振り返る。こうしたノウハウが、現在のGXコンサルティングにつながっている。その後、ESG投資への関心の高まりとともに、REIT(リート:不動産投資信託)の分野でもエネルギー管理のニーズが顕在化したことを受け、不動産セクターのサステナビリティ対応にも注力してきたという。森銅氏は、自社のサステナビリティ推進も兼務している。

森銅 真一朗氏(右)アビームコンサルティング 産業インフラビジネスユニット サステナビリティーユニット シニアマネージャー、北村 健一氏(左) アビームコンサルティング 産業インフラビジネスユニット マネージャー、嶋田 史郎氏(中) PID 代表取締役 公認会計士 税理士
森銅 真一朗氏(右) アビームコンサルティング 産業インフラビジネスユニット サステナビリティーユニット シニアマネージャー
北村 健一氏(左) アビームコンサルティング 産業インフラビジネスユニット マネージャー
嶋田 史郎氏(中) PID 代表取締役 公認会計士 税理士

ESGテックとのシナジー効果 サービスの使いやすさを重視

同社はこうした中、省エネ法対応のサービスを展開していたESGテックのPIDと知遇を得て協業に至った。PIDは2017年創業のベンチャー企業で、ITの力で社会課題を解決しGXのキープレイヤーになることを目指している。サービスの使いやすさを重視し、デザイナーを積極的に起用するなどデザインにも注力した開発が特徴だ。PIDのデザイン力・技術力に、コンサルティングで培った幅広い知見と課題解決能力を掛け合わせて生まれたのが、新しいGXマネジメント支援サービス「Cyanoba(シアノバ)」だ。名前の由来について、PID代表取締役の嶋田 史郎氏は「25億年前に初めて光合成をして酸素を生み出した微生物シアノバクテリアから名付けました。太古の昔、微生物が生命の繁栄と生存環境をもたらしたように、カーボンニュートラルの実現が求められる今、『Cyanoba』によって顧客の事業成長と環境への貢献を両立させていきます」と力強く語る。

※GXマネジメントツールには、CO2排出量の見える化を行うエントリーモデル「Cyanoba Lite」もあります

GXマネジメント支援サービス「Cyanoba」は、PID社の開発・運用する
マネジメントツールと、GXコンサルティングサービスを組み合わせ、
カーボンニュートラル実現と企業価値向上の両立を支援する

※GXマネジメントツールには、CO2排出量の見える化を行うエントリーモデル「Cyanoba Lite」もあります


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削減アクションにつなげられる高い分析機能 データ入力、外部報告対応の効率化も実現

「Cyanoba Lite」画面イメージ
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「Cyanoba」のベースとなるのが、排出量の見える化や分析を行うGXマネジメントツールだ。これには、GHGプロトコルに基づいてスコープ1からスコープ3の排出量の見える化を行う「CyanobaLite」というエントリーモデル、排出量にかかるエネルギーコストを一元管理して削減対策の投資対効果を評価し、取り組みの優先順位づけまで可能にする「Cyanoba Standard」がある。「Cyanoba Standardでは、インプットしたデータを省エネ法やSBT、CDPなどの提出先に合わせて柔軟にアウトプットできます。また、省エネ法に準じた原単位分析や異なる検針日を統一管理したうえで行う多拠点ベンチマーク分析などの機能により、変動要因を特定しCO2削減アクションにつなげることが可能です。さらに、GXコンサルティングの提供により、GXマネジメント分析の実現および外部情報開示・報告対応の効率化を支援していきます」と森銅氏は話す。さらには、「Cyanoba Connect」というオプションを利用すれば、排出量の算定に必要なデータ入力の自動化・代行が可能だ。請求書を画像データとして取り込むだけでよいため、データ収集やとりまとめ作業の負担を大幅に軽減できる。「開発にあたっては、不動産セクターのESG評価ツールであるGRESB*などの外部報告にも適合させるため、高度な要求に応えるシステムになるよう作り込みを行いました。そのため基本機能の品質が極めて高く、CO2排出量の見える化から省エネ・CO2削減アクションにつなげられる精度の高い分析ができるのが最大の特徴です」と嶋田氏は強調する。

*GRESB(グレスビー):
不動産セクターの会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価及びそれを運営する組織の名称

コンサルサービスとツールで脱炭素経営実現に向けて伴走

カーボンニュートラルに向けて排出削減が求められる中、実際のところ「何から始めたらよいのかわからない」という需要家も多い。2050年という長期的なスパンでPDCAサイクルを回し続けなければならないが、カーボンマネジメントに関する制度には動きも多い。そのため、同社ではGXマネジメントツールだけでなく、GXマネジメントサイクルの構築支援も行っている。産業インフラビジネスユニットマネージャーの北村 健一氏は「排出削減のスタートラインとして、GX戦略ロードマップ策定の支援も行っています。排出量の見える化の次のステップでは、複数の削減方法の中からどれが最適なのかを比較し、優先順位をつけるサポートを行います。具体的には、1トンのCO2を削減するのに必要なコストを方法ごとに評価し、より投資対効果の高い方法から取り組むことで、経営へのインパクトを抑えるというものです」と説明する。複数の削減方法を提示すると「こんなに多くの方法があったのか」と驚く需要家もいるという。

森銅氏によると、省エネ法などの報告において、一般的な表計算ソフトを使って集計、計算している需要家は多いという。こうした管理方法では、SBTやCDPといった報告先によってデータを組み替えることが難しく、作業の負担も大きい。2050年に向けて毎年報告を行うことを考えると、表計算による管理から脱却し、集計や報告の効率化を図ることが重要だと指摘する。「GXマネジメント支援サービス『Cyanoba』を通じた報告業務の効率化のみならず、GX戦略のロードマップ策定に向けた支援によって、需要家の長期的な排出削減にしっかりと伴走していきます」と森銅氏は意気込みを語る。

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アビームコンサルティング株式会社アビームコンサルティング株式会社
e-mail:JPABenergymgmt@abeam.com
Cyanoba
https://service.cyanoba.com/
アビームコンサルティングのGXコンサルティング
https://www.abeam.com/jp/ja/trend/gx

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