土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
長期海洋再解析データによる日本海極前線および熱環境の解析
浜野 竜太朗二宮 順一Josko TROSELJ森 信人
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 75 巻 2 号 p. I_1201-I_1206

詳細
抄録

 日本を取り巻く海洋の環境,防災,資源開発を考える上で,日本近海の海洋環境を把握し,流動構造・水温変動などの海況の変動解析を行うことは重要な課題である.そこで本研究では,長期間で高解像度の再解析データFORA-WNP30を使用して,日本海を対象とした極前線及び熱環境の解析を行った.水深帯毎の水温EOF解析結果では,日本海は水深100m付近まで日本沿岸に高水温の空間分布が支配的であり,対馬暖流影響が示唆された.極前線南北の熱量解析では南北で熱量の鉛直変動が異なることが分かり,南北での暖流影響の違いが確認された.その後,日本海の熱輸送経路を把握するために4Boxモデル積分計算を行い,日本海では対馬暖流域から低層上部を経由して極前線北側海域の表層への経路をとることが示唆された.また4Box計算に温暖化条件を設定し,その応答を調べた.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top