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住吉 宏章 |
金融庁 企画市場局 総務課 信用制度参事官室
平成30年採用 総合職(工学) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
エネルギー政策(数理モデル構築)、原子力工学
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◇ 志望動機は? |
東日本大震災をきっかけに、大学・大学院ではエネルギー政策や原子力工学を専攻しましたが、働くにあたって、分野を問わず広く社会問題の解決に携わりたいという思いから財務省を志望しました。
予算や税、財政投融資など、社会問題を解決するために必要な政策ツールが財務省は特に多様であることに加え、次世代に希望ある社会を引き継ぐために財務省が担う役割を説明する、当時の採用補佐の姿が魅力的であったことが、財務省入省の決め手になりました。
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◇ 採用後の経歴は? |
入省後最初に配属された主計局では、1年目は令和元年度予算編成過程に携わりました。また、2年目は復興庁等とともに、東日本大震災から10年が経つ東北の復興を支える仕組み・組織・財源を整備する法改正に関わりました。
3年目は仙台国税局に出向し、東北地方の法人に対して実地調査等を行い、法人税・消費税に関する申告書等の分析・検討を実施しました。
4年目は、3か月間の財政経済理論研修にて、経済学・財政学等を体系的に履修するとともに論文を執筆したのち、現在は金融庁に出向し、送金手段や証券商品等のデジタル化に対応した金融制度に関する検討に係る業務等に従事しています。
理系出身であっても法令担当になることももちろんあり、普段は各職員、バックグラウンドの違いを意識することなく働いています。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
現在の部署では、デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会の運営に携わるとともに、部署の総括係として、政府文書の取纏め、国会対応等を行っています。室内や研究会の議論では、ブロックチェーンやステーブルコインといった最新技術の動向を取り扱うため、関連する書籍や記事を職員同士で共有するなど工夫しながら、日々勉強しつつ必要な制度整備等の検討を進めています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
これまで複数の部署で業務に携わる中で、理系の素養が役に立ったと感じる場面はしばしばあります。例えば、政策立案の際に必要となる資料の作成時において、論文等から関連情報を収集するときは、大学・大学院で多くの論文に触れてきた経験が活きていると感じます。また財政経済理論研修で企業統治に関する研究を行った際には、情報収集に加え、計量経済学の理解、データ整理、統計ソフトでのプログラミング、論文執筆にいたるまで、卒論・修論の作成経験が活きました。
政策立案時には、最新の論文の分析等を理解・解釈する必要性もあるところ、学生時代に研究に励んだ経験は、今後も十分活かせる場面があると思っています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
国家予算という非常に規模の大きな仕事から、その予算を裏付ける税の徴収の現場での仕事、さらに省庁の垣根を越えて、時代の最先端にあるデジタル金融分野の仕事と、幅広い業務に携われることが醍醐味です。日々勉強が必要ではありますが、同時に、興味が尽きることなく様々な分野の業務に取り組むことができます。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
1年目に担当した財政制度等審議会の運営において、省内関係者や審議会の委員の方々と何度も調整を重ねた上で、平成財政の振返りや令和財政の在り方についての取纏めを終えた際には、大きな達成感がありました。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
平日はしっかりと働いて、土日は家や本屋などでゆっくり過ごすことが多いです。また、海外留学の機会に備えて英語学習に励んでいるところです。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
財務省の所掌する政策分野は多岐にわたり、本省はもちろん、本省以外のポストも数多くあります。今後も、海外留学、出向なども含めて様々な経験を重ねながら、予算や財政、税、金融などの分野から、自分の専門性を徐々に確立していければよいと思っています。
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(令和3年10月) |