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「なぜ広告と書く必要があるのか」 消費者庁が「第1回ステマ検討会」開催 広告主の意識を調査(1/2 ページ)

消費者庁が「第1回 ステルスマーケティングに関する検討会」を開催した。広告代理店などへの調査を通して、ステマの実施状況を整理。短期的な利益からステマは実施されているが、長期的に見ると悪影響があるとして規制の必要性を検討する。

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 「世の中の案件は全て広告案件なのに、なぜ広告と書く必要があるのか」──ステルスマーケティング(ステマ)をやる事業者の中にはそんな意識のところもある。消費者庁は9月16日、「第1回 ステルスマーケティングに関する検討会」を開催した。

 同会では、ステマの実施状況や海外事例の分析、経済学や心理学などから見たステマの影響などを論じる。初回は、広告代理店やインフルエンサーを対象にした調査結果から、ステマの現状を整理した。

ステマは現状「不当表示」に当たらない

 ステマとは「広告主による広告宣伝のうち、消費者に広告主を明かさないもの」のこと。ステマの中には、事業者が発信しているにもかかわらず第三者を装う「なりすまし型」、事業者がインフルエンサーなどに金銭などの利益を提供して宣伝しているにもかかわらず、その事実を表示しない「利益提供秘匿型」がある。

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「ステマ」の定義は一つに定まっていないが「広告主による広告宣伝のうち、消費者に広告主を明かさない」点が共通している

 例えば、広告表示のない広告記事、ECサイトなどのやらせレビュー、インフルエンサーが広告表示せずに商品を広告する行為などが該当する。

 現状の景品表示法では「優良誤認表示」「有利誤認表示」と内閣総理大臣が指定している不当表示が規制されている。優良誤認は商品などが実際より著しく優良だと示すこと。有利誤認は競合商品などより著しく有利だと示すこと。内閣総理大臣が指定する者の中には原産国の不当表示などが含まれる。

 ネット広告業界では、広告の審査が甘く出稿ハードルが低い場合があることや、業界団体の規制が効きにくいことなどで、ステマが起きやすいという。

 ステマのように広告であることが分からないように表示する行為は現在は不当表示に当たらず、法的には問題ないことになっている。ステマ規制がないのはOECD加盟国のうち日本だけだった。

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