ドコモに聞く「dポイントクラブ」改定の背景 なぜ契約年数を条件から撤廃したのか?(1/3 ページ)
NTTドコモの共通ポイント「dポイント」の新たな会員プログラムがスタートした。これまでの「ステージ制」から「ランク制」となり、ランクアップの仕組みや特典が大幅に変更された。このランク制の導入には「『dポイントがたまる、使える』をもっと実感してほしい」という背景があったという。
NTTドコモの共通ポイント「dポイント」の新たな会員プログラムがスタートした。これまでの「ステージ制」から「ランク制」となり、ランクアップの仕組みや特典が大幅に変更された。新会員プログラムをなぜ導入したのか、どんなメリットがあるのか。同社の担当者に話を聞いた。
「ポイント獲得数」を判定条件とすることで、よりたまりやすく
dポイントを利用するには、キャリアを問わず加入できるdポイントクラブに参加する必要がある。キャリアフリーサービスであり、ドコモの回線ユーザー以外も使える共通ポイントだ。
そのdポイントクラブでは、会員特典を提供するためにステージ制を導入していた。「1st(ファースト)」から「Pt(プラチナ)」までの5ステージがあり、ステージアップするには一定以上のドコモ回線継続利用期間または6カ月間累計で一定以上のdポイント獲得数が必要だった。
プラチナステージになるには15年以上の継続利用か6カ月で1万ポイントを獲得するという条件で、セカンドステージに上がるだけでも、4年以上または600ポイントが要求されていた。
それに対して新会員プログラムではランク制となり、1つ星から5つ星までの5段階であることは変わらないが、ドコモ回線の継続利用の条件が廃止された。dポイント獲得数だけが条件となり、累計期間も3カ月に短縮されている。1つ星から2つ星へのランクアップには3カ月で100ポイント、3つ星では600ポイントの獲得が条件で、最上位の5つ星には5000ポイント獲得が必要となる。
このランク制の導入について、南部氏は「『dポイントがたまる、使える』をもっと実感してほしい」という背景があったと話す。これまでのステージ制では、ステージアップしてもdポイントの獲得率に変化がない上に、「dポイントを獲得しなくてもドコモ回線を長期間継続しているだけでステージが上がる」という状態だった。
ステージ制で提供されていた特典は、例えばプラチナステージではイオンシネマでのACチケット(ペア)や百貨店商品券、東京ディズニーリゾートパークチケット(ペア)などが抽選で当たるというクーポンの提供がメインで、ドコモ回線の継続期間に応じて誕生月にdポイントをプレゼントする「ずっとドコモ特典」など、基本的にドコモユーザー向けに設計されていた。
そのため、仮に6カ月で1万ポイントをためてステージアップしても、得られるdポイントに変化はなく、ドコモユーザー以外だとあまりメリットがなかった。「ポイントがたまりやすい、という特典を提供できていなかった」と南部氏は指摘する。
その結果、dポイントがたまりやすいように設計をしたのが今回の新会員プログラムだという。1つ星が基本の1倍だが、2つ星以上だと基本ポイントに特典ポイントがプラスされる形になる。2つ星だと1.5倍、3つ星と4つ星で2倍、5つ星では2.5倍の獲得率になるため、ポイントがたまりやすくなる、というのが基本設計だ(なお、従来のクーポンのうち、「ドコモチューズデー」「リロプレミアクーポン」は、会員全員に提供されるようになった)。
基本の200円1ポイントの場合、2つ星では200円で1ポイント(小数点切り捨て)だが、400円なら3ポイントになる。3つ星になれば200円で2ポイント、400円で4ポイント、5つ星だと200円で2ポイント、400円で5ポイントとなるわけだ。
これが1000円の商品を購入した場合、1つ星だと5ポイント、2つ星だと7ポイント、3つ星と4つ星で10ポイント、5つ星では12ポイントとなる。単純に2.5倍になるわけではない。中にはポイント獲得率が100円で1ポイントの店もあるので、そうした場合は5つ星なら200円で5ポイントと一気に増える。そうした店を活用すれば、さらにたまりやすくなるだろう。
毎月の獲得上限が1万5000ポイントで、特典分ポイントは期間限定であること、上位ランクになっても小数点切り捨てのために、2つ星や5つ星でも200円1ポイントの店なら400円を基準に考えないと最大倍率にならないといった、苦心の跡が見える設計。いずれにしても南部氏は「従来は抽選でエントリーが必要だったが、必ずもらえる特典で、dポイントがたまりやすいと感じてほしかった」とその狙いを話す。
もちろん、ドコモ回線の継続期間は長かったがd払いはそれほど使っていない、というような人だと、ランクが下がることはある。今回の新会員プログラムの狙いもそこにあり、dポイントやd払いを利用する人に特典を提供することを主軸に置いたものだ。
これまでのように、ドコモ回線のユーザーだからといって優遇するわけではないが、従来も特典を得られなかったahamoユーザーやドコモのエコノミープランのユーザー、そしてMNPがしやすくなった昨今の状況も踏まえて、新規にドコモに加入したユーザーに対しても、継続期間が短いというだけで特典が得られないという状況を避ける狙いもある。
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