Web3とは何か? 5分で分かる「NFT」「DeFi」「DAO」
Web3は今までのWebサービスと何が違い、どのような社会を実現するものなのか。Web3を構成する要素として注目を集める「NFT」「DeFi」「DAO」とは何か。
「Web3」は、ブロックチェーン技術を基盤とした新世代のオンラインサービスを総称するキーワードだ。Web3がもたらす未来の社会をbitFlyerの創業者で日本ブロックチェーン協会代表理事を務める加納祐三氏が解説した。
本稿は「NexTech Week 2022 春」(開催期間:2022年5月11〜13日)の講演「ブロックチェーンが実現する社会変革の可能性 〜NFT・Web3からSDGsまで〜」の内容を編集部で再構成した。
国家戦略に組み込まれるブロックチェーン技術
「Web3」(Web3.0)は世界各国で国家戦略に組み入れられようとしている。中国はこの動きに一歩先んじ、3年前からブロックチェーンを国家戦略として位置付け、デジタル人民元のテストに取り組んでいる。2022年3月には米国のバイデン大統領がデジタル資産に関する大統領令を発表し、暗号資産やデジタルドル発行の利点とリスク評価をまとめるように指示した。
エルサルバドルでは2021年に「ビットコイン」を法定通貨とし、2022年4月には南アフリカ共和国がそれに続いた。ウクライナ政府はNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を販売して寄付を募る活動を行っている。日本でも2022年3月、自由民主党のデジタル社会推進本部NFT政策検討プロジェクトチームから岸田総理に「NFT戦略」を提言するなど国家レベルでの取り組みの必要性が認識されている。
これらの動きに表れるように、暗号資産やNFTの基盤となるブロックチェーンの重要性が世界的に認知され、それを活用した新しいWebサービスの在り方が「Web3」と呼ばれ注目を集めている。
Web1からWeb2、Web3への変遷
ブロックチェーンが基盤のWeb3はこれまでのWeb1.0とWeb2.0とどう違うのか。その変遷を情報流通の在り方を軸に整理すると以下のように整理できる、と加納氏は説明する。
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