3段ロケットのPayPay資産運用 600万のポイント運用ユーザーを取り込む(1/2 ページ)
これは、初心者を投資に誘う1つの成功パターンと言えるかもしれない。PayPay証券は、PayPayの電子マネーである「PayPayマネー」で投資が行える「PayPay資産運用」を8月2日にスタートした。
これは、初心者を投資に誘う1つの成功パターンと言えるかもしれない。PayPay証券は、PayPayの電子マネーである「PayPayマネー」で投資が行える「PayPay資産運用」を8月2日にスタートした。「手応えは感じている。過去最多のペースで伸びている」とPayPay証券マーケティング第一部の佐藤康介部長は話す。
PayPay証券は、スマホ証券の一角を占める証券会社だ。LINE系列のLINE証券が100万口座超、SBI系列のSBIネオモバイル証券(21年5月に60万口座)などが勢力を伸ばす中、口座数は32万3000(3月末)にとどまる。
出遅れた感もあるが、銀行、証券、カードといった金融系サービスの名称をPayPayに統一し、5000万ユーザーを超えるスーパーアプリ、PayPayとの連携を深めることで、一気に拡大を目指す。その武器の1つが、このPayPay資産運用だ。
ポイント投資から電子マネー投資、そして現金による投資へ
実はPayPay資産運用は、ユーザー取り込みの2段目のロケットにあたる。第1段は、2020年4月にスタートしたPayPayポイント運用(旧称PayPayボーナス運用)だ。開始から2年後の22年4月には利用者が600万を越えた。証券業界全体で口座数トップと見られる楽天証券が、800万口座超であることを踏まえると、わずか2年間で600万を獲得したことの凄さが分かる。
ポイントを擬似的に運用する、いわゆるポイント運用は、利用者にとって開始のハードルが低く、ユーザーを集めやすい。同様に楽天ポイントを運用できる「ポイント運用 by 楽天PointClub」も利用者が700万人に達している。
まずはポイントで投資を疑似体験してもらい、そこから実際の現金を使った投資講座に誘うのが各社の定番ルートだ。PayPay証券では、ポイントと現金の間にもう1ステップ挟み、電子マネーによる投資を用意したのが新しい。
「ポイント運用をトライアルとして提供して600万ユーザー。かなり受け入れられる素養があることに確信が持てた」と佐藤氏は言う。
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