メタバースで行われた発表会に参加 Zoomに比べて何がいいの?(1/4 ページ)
コンサルティング大手のアクセンチュア日本法人が、同社として初めて発表会をメタバース上で行ったので、参加してみた。果たして、メタバース発表会はありなのか。
このところメタバースがブームだ。といっても、一般消費者がメタバースに入り浸って楽しんでいる……というのではなく、企業が「メタバースに乗り遅れてはいけない」という感じで、さまざまなトライをしているように見える。
そんな中、コンサルティング大手のアクセンチュア日本法人が、同社として初めて発表会をメタバース上で行ったので、参加してみた。内容は2022年に企業が押さえるべきテクノロジートレンドの最新調査レポート「Technology Vision 2022」だ。
内容は「メタバース(WebMe)」「実世界のカスタマイズ」「AIによる生成(アンリアル)」「次世代コンピューティング」といったもの。それぞれに、メタバース、Web3、NFTといった単語が散りばめられた。
「次のフロンティアはメタバース。狭義ではVR空間だが、仮想世界から現実世界にまたがる連続性が重要だと考えている」と発表を行ったアクセンチュアの山根圭輔氏は言う。
次世代のテクノロジートレンド自体も面白かったが、やはり気になったのはこの発表会自体がメタバースで行われたことだ。筆者自身もメタバースで行われる発表会に参加するのは初めてだ。
スマホからメタバース発表会に参加
今回使われたメタバースのプラットフォームは、クラスター社が提供するClaster。スマートフォンやPC、VR機器などさまざまな環境からVR空間に参加できる。主催のアクセンチュア山根氏は、VRゴーグルとグローブ型デバイスを使い、身振りなども交えての登場だった。逆に筆者は、iPhone 12miniにアプリをインストールして参加してみた。
最初に感じたのは「ゲームっぽいな」ということ。メタバース自体がFPSゲームのフォートナイトやApex Legendsとの関連性がよく指摘されるように、メタバース内での移動や視点の切り替えはゲームそのものの感触だ。
メタバース内のステージにはスクリーンが用意され、そこにプレゼン資料が投影されている。壇上に上がったプレゼンターは、身振り手振りを交えながら解説をしている。普通の発表会とちょっと違うのは、観客席にいる記者たちが思い思いの場所に陣取り、たまに走り回っていることだろうか。
発表を聞く限り、実は通常の発表会との違いは感じない。表情などの細かなニュアンスも重要な情報となる対面の取材とは違い、こうした発表会ものはまぁ資料が見えて解説が聞ければ事足りる。その意味では、メタバースでの発表会は成り立ちはするのだろう。
一方で、すごく感じたのは、これZoomに比べて何がいいの? という疑問だ。
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