楽天証券、投信積立設定額1000億円に ポイント引き下げ影響は「非常に軽微」(1/2 ページ)

» 2022年08月02日 16時47分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 楽天証券は8月2日、投資信託の月額積立設定額が1000億円に達したことを明らかにした。6月末時点で969億円に達しており、前年同期末比で61.2%増。設定人数も261万人(同59.0%増)となっており、順調に拡大した。

2022年12月期上期(1−6月)の決算会見で、積立設定金額が1000億円に達したことを明らかにした楠雄治社長
投信積立設定額は6月末に969億円、8月2日の会見中に1000億円に達した(決算説明資料より)

ポイント引き下げも影響は「非常に軽微」

 クレカ積立に対しての1%のポイント還元を武器に、急速に設定金額を伸ばしてきた楽天証券。不安要因は、2月に発表した還元率の改定だ。低信託報酬の投信を中心に多くの場合で、9月積立分から0.2%に還元率を引き下げる(記事参照)。

 しかし楠雄治社長は次のように話す。「若干ペースは落ちたかなというのはある。それがマーケット要因なのか、ポイント還元の引き下げ要因なのかは分からない。一時的に、(投資信託の他社への)移管も出た。しかし非常に軽微だった。ポイントを追求する人は出ていったが、増えていく方が圧倒的に大きかった」

 ネガティブ要素だけでなく、ポジティブな要素もある。6月に登録の受け付けを始めた楽天キャッシュ決済による投信積立だ。これは楽天キャッシュという電子マネーから投信を買い付けられる新サービス。クレカ積立と併用でき、合計で10万円までの積み立てが可能になる。

 7月末時点で、楽天キャッシュ決済は投信積立設定人数の2割、50万人に達した。登録開始から1カ月半の数字としてはたいへん好調だ。50万人のうち16%はクレカ決済を併用しており、「併用による金額増分効果も一定程度出てきている」(楠氏)状況だ。

50万人がすでに楽天キャッシュ決済を利用しており、立ち上がりは順調だ(決算説明資料より)
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