今なぜ? ZHDとソフトバンク、PayPayを連結子会社化する狙い金融ディスラプション(1/2 ページ)

» 2022年07月28日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 Zホールディングス(ZHD)およびソフトバンクは7月27日、コード決済事業を営むPayPay社を10月1日に連結子会社化すると発表した。併せて、PayPay社は10月1日付けでPayPayカード社の株式をヤフーから取得し、完全子会社化する。

 狙いはZHDとPayPayの連携を密にすることだ。

コード決済最大手のPayPay(PayPayWebページより)

ユーザー獲得費用を除くと黒字化のPayPay

 PayPayはサービス開始から3年9カ月が経ち、4月末にはユーザー数が4700万人を超えた。直近2022年3月期は、売上高が574億円、営業利益が595億円の赤字となっている。一方で、ユーザー数拡大に注力してきた3年が終わり、21年10月からは加盟店手数料を有料化するなど、収益化フェイズに移行している。

 「PayPayの決済ビジネス部分では、プロモーションなどユーザー獲得費用を除くと黒字化している。ここから先、全体の黒字化も近づいているという手応えを感じている段階だ」と、ZHDの専務執行役員GCFO(最高財務責任者)の坂上亮介氏は説明する。

 PayPayの収益化プランとしては、一階部分と呼ぶ決済ビジネスのほかに、二階部分と呼ぶ加盟店向けサービス、そして三階部分となる金融ビジネスがある。この加盟店向けサービスや金融ビジネスを推進するためには、ZHDと一体で運営していくことが重要だと判断した。

PayPayの業績の推移。赤字幅は縮小しているが、まだ500億円規模の赤字だ(適時開示資料より)
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.