第3回「神様も身動きがとれない」ネット広告 DMP大手社長が語る実情

有料記事巨大IT「ビッグテック」を考える

聞き手・女屋泰之
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 急成長するネット広告市場で、独占的な地位を占めるようになったビッグテックは内側からどう見えているのか。広告主とネット利用者を仲介する「データ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)」大手、インティメート・マージャー(東京)の簗島亮次社長(38)に現状を聞いた。

 ――日本のネット広告でビッグテックはどのような存在なのでしょうか。

 たとえばグーグルは(広告の取引市場である)「アドエクスチェンジ」でおそらく7、8割というシェアです。ネット広告のそのほかの分野でも、メタ(旧フェイスブック)、アマゾンを含めれば、各領域で圧倒的な存在感があります。世界のネット広告費用が急激な右肩上がりで伸び続けている中で、多くの富は彼らに入っている印象です。

 ――ネットの利用者の履歴を追跡するのに活用される「サードパーティークッキー」のサポートを、グーグルは2024年中には廃止する方針です。ネット広告を効果的に配信することが難しくなるのでは。

 当社はネット広告が行き交うためのインフラを提供している会社です。サードパーティークッキーを従来通り取れなくなることで、事業を見直しているところです。ただ、これはグーグルという「神様」が決めたルールが変わるだけであり、「クッキーがとれない」ように土俵が変わることは、競合他社にとっても同じです。当社はそれに代わる技術についても先行してサービスを始めており、広告主の方からの引き合いも順調です。

 ――「神様」の振る舞いについてはどう感じていますか。

「巨大になったグーグルは、ネット広告の世界で市場のルールそのもの。しかし、ルールを変更することが彼ら自身も難しくなってきている」と簗島社長は指摘します。記事後半で詳しくお伝えします。

 「サービスを、3日後には終…

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