代官山蔦屋の元スタッフ夫妻が仕掛ける市直営の書店「誇れる施設に」

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横山蔵利
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 図書館ではなく、市直営のちょっと変わった書店が青森県八戸市にある。「八戸ブックセンター」。スタッフの森佳正さん(44)、花子さん(36)夫妻は、実験的書店として知られる「代官山 蔦屋書店」(東京・代官山)で、選書やイベントなどを担ってきた。その経験を生かし、見ず知らずの土地でブックセンターの立ち上げに携わり、「本のまち八戸」を目指して活動している。

 佳正さんは札幌市出身。上京し、大学で物事を調べ上げることの大切さを学んだという。問題に向き合ったとき、どのようにアプローチし、どんな書物からヒントを得るのか。「考え抜くという姿勢がその後に大きく影響しました」。卸問屋の勤務などを経て、代官山蔦屋に入った。

 代官山蔦屋では、売れる本だけではなく、読んで欲しい本を置く。それぞれの分野に精通した書店員をコンシェルジュと位置づけ、選書からイベントの企画まで担う。「おもしろい人集まれ」という言葉にひかれて手を上げ、採用されて人文の部門を任された。「利益を上げながらも、大事な本は何か」。年間7万点を超えるという書籍の世界に身を置き、仕事に没頭してきた。

 花子さんは、横浜市出身。図書館勤務などを経て、代官山蔦屋で童話など子ども向けの本を担当した。小さいころから、絵を描くことが好きだった。イラストを描き、同市港北区の図書館のイメージキャラクターにも採用された。絵の才能が少しずつ開花していった。

「全く知らない土地でした」

 2015年冬、インターネッ…

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