難民認定で協力強化、入管庁がUNHCRと覚書

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伊藤和也
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 出入国在留管理庁は21日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と難民認定制度に関する覚書を交わした。難民認定のあり方に国内外から批判が相次ぐなか、協力関係を強化することで制度の改善を進め、より適正に運用できるようにする狙いがある。

 この日、東京・霞が関法務省で覚書の署名式があり、上川陽子法相は冒頭、「難民認定制度のさらなる質の向上を図っていきたい」とあいさつした。続いてUNHCRトップのフィリッポ・グランディ難民高等弁務官は、難民の地位に関する条約への日本の加入から今年で40年にあたることに触れ、「覚書は日本が条約加入を通じて誓約した義務を改めて果たすことを支援するもの」とし、「日本の努力を今後も全力で支えていく」と語った。

 日本の難民認定をめぐっては、認定率の低さから「難民の解釈が厳格すぎる」「審査が不透明だ」などと批判が絶えない。法相の私的懇談会の専門部会が2014年の提言で認定基準の明確化を求め、入管庁は初となるガイドライン(指針)を策定する作業を進めている。

 入管庁によると、覚書には、UNHCRから指針への意見をもらったり、今後の審査に生かすため過去の事例の分析・研究にともに取り組んだりすることが盛り込まれた。審査にあたる難民調査官の研修や、申請者の母国情勢の情報収集について引き続き連携していくことも確認した。(伊藤和也)

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 上川法相、グランディ高等弁務官のあいさつ(要旨)は以下の通り

 ●上川陽子法相あいさつ(要…

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