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2021年09月10日

中田花奈インタビュー「自分で仕事を作ろうと開いた麻雀カフェから、いろいろな道が広がりそうです」

中田花奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork乃木坂46を昨年10月に卒業した中田花奈さん。20歳から始めた投資に関する本を出版したり、舞台の台詞から興味を持った麻雀でプロ雀士のテストに合格したりと話題を呼び、グループ時代以上にテレビ出演も増えました。この6月には、独力と自己資本で麻雀カフェ「chun.」をオープンして、オーナー店長に。アイドル活動を終えるときには引退も考えたそうですが、新たな道をどう切り拓いたのか聞きました。

 

金銭感覚はデビューしてからも変わらなくて

――麻雀に興味を持ったのが2015年で、自分で麻雀カフェを開くことは、いつ頃から考えていたんですか?

乃木坂46を卒業することを決めて、その後にやりたいことが特になくて、どうしようか考えていたときに、漠然と「雀荘を開けたらいいな」と思い浮かびました。正直、卒業したら私に芸能界の仕事はないと思っていたので(笑)。「だったら自分で仕事を作ろう」というのが、始まりでしたね。物件から探して、最初の内見に行ったのが去年の7月でした。

――その頃から、ただの雀荘でなく、女性が入りやすいようにカフェも併設してオシャレで……という形をイメージしていたんですか?

私がフリー雀荘に入れなかったので、“女性が”というより“私が”気軽に行けるような雀荘にするのが、ひとつの目的でした。それで結果的に、女性向けになりました。

――開業にかかった費用はすべて自己資金でまかなったとか。昔から、何に使うかはともかく、貯蓄はしていたんですか?

貯金しているつもりはなかったんですけど、洋服を買う以外はあまりお金を使いませんでした。私はデビューしてからも、学生時代の友だちが一番仲良かったんです。そういう友だちといたから、意識しなくても金銭感覚は変わりませんでした。

 

人前に立つより自分の世界で生きたかったんです

中田花奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――今の花奈さんは麻雀や投資の話題もあって、個人で乃木坂46時代以上にテレビなどに出演しています。でも、実業家タレント的な枠を狙っていたわけではないんですよね?

そうですね。今、そういう方も多いですけど。私は芸能活動に全然向いてないと思って乃木坂46を卒業したので、雀荘のママとしてひっそり暮らすつもりでした(笑)。自分を好いてくれる人たちと、自分だけの世界で生きる生活をしてみたかったんです。

――花奈さんがそんなに芸能界に向いてないようには、見えませんでした。

精神的に弱い部分があるので、何度もダメだと思って考えた末に、もう続けられないなと。もっと自分に自信がないと、たぶん人前に立ち続けることはできません。

もちろん、9年間のアイドル活動でプラスの部分も多かったし、いろいろなことを乗り越えてもきました。それでも乗り越えられないこともあって、精神的なものが原因で体調を崩してしまったりもしたので、結局は向いてないなと。だったら芸能界を離れた社会で生きるほうが、私には合っていると思ったんです。

 

商談ではナメられないように強い心で

中田花奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――芸能界以外での社会経験がなかったのに、イチから自力で麻雀カフェを開業したのは、考えたらすごいことですよね。しかも、1年弱の短期間で。やっぱり花奈さんは、どんな世界でも通じる常識や教養を持っていたからでしょうね。

たくさん苦労はしています。起業した人はみんなそうだと思いますけど、私は何をするのも初めてなので。でも、強い心はアイドル人生で身に付きました。商談をしていてナメられてると思ったら、「それは無理です」ときっぱり言えます。

――ナメられてると思うこともあったわけですか?

営業をかけてきて、すごく高い額を提示されたりします。20代の元アイドルで何もわかってないと思われているのか(笑)。でも、ネットで調べて妥当な額でないとわかったら、はっきり断ってきました。

そういうときの私は生意気な子に映ると思いますけど(笑)、“みんなに好かれなくてもいい”という感覚を持てたのは、アイドルをやっていたおかげかもしれません。

――ビジネスについて、総合的にアドバイスしてくれるような人はいるんですか?

特にいません。今はネットで検索すれば、雀荘を開業するのに何が必要とか、たいてい出てくるので。でも、風営法のことなどは難しくて、行政書士さんに入ってもらいました。収支計算も税理士さんに全部確認してもらってます。

 

自分の感情がわからなくなるくらい忙しくて

中田花奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――麻雀カフェの経営に、コロナ禍の影響はやっぱりありますか?

そうですね。本当はお客さんを満杯に入れたいし、お酒も出したいんです。スポーツバーのようにモニターで麻雀の対局を鑑賞することも、まだできていません。Mリーグだと1半荘で2時間かかったりもして、今はお客さんをそんなに滞在させることはできなくて。早くそういうことができたらいいなと思いながら、グッズの通販とか別のことをいろいろやって、頑張っています。

――今は完全予約制を取っていますね。堅実に経営していく方針ですか?

この状況でやれることをやっています。今は毎月の売り上げは黒字ですけど、初期投資の回収が何年後にできるか。普通のカフェだと、顧客が付くまでに時間がかかるところを、ここはありがたいことに、最初のうちからお客さんが来てくれています。その分、今後のことが読めない部分があるので、収支計画の立て方が違っていて。そこを考えていかないといけないんです。

ただ、最悪回収できなくても、借金はしてないから閉店することはできます。やり切ったと思えば、未練はないので。今はお店を回すのに精一杯で、もうちょっと楽しめる余裕を持てたらいいなと思います。

――大変だとは思いますが、自分で事業を始めて、アイドルになった頃のようなワクワク感もありますか?

どうですかね? 今は自分の感情がわからなくなるくらい忙しくて。何も考えずにバタバタ仕事をして、しんどさのほうが大きいです。でも、せっかくビジネスを始めたので、グッズを作る以外にも、お店の名前でいろいろな事業を展開できたらと思っています。

 

バイト経験は起業するときにも役立つはずです

中田花奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――一方で、タレント業でもこれだけ声が掛かると、改めて意欲が沸いてきませんか?

現状は本当にお店以外のことを考える時間がないので、従業員に任せられるようになったら、タレント業をスッキリできると思います。今でも人の注目を浴びるのは向いてない気がしますけど、私のことをよく知っていただいているファンの方には、たぶん引退すると思われていたので、意外とテレビに出ているのを喜んでくれています。

――あれこれありながら、ここまで活動を続けてきた中で、花奈さんの支えになっていたものというと?

まだ何も叶えられてなくて、最近も何度もパニックになってますけど、とりあえず休む時間がないことが救いでした。泣く時間も悩む時間もない。「ヤバい! ヤバい!」と言いながらも仕事をしていたのが、気持ちを保てて良かったかもしれません。時間があったら考えすぎてしまうところを、仕事で埋められました。

――バイトしながら将来やりたいことに備えている読者の方に、起業した立場からアドバイスはありますか?

私はバイト経験がなかったので、自分でお店を始めるとき、とても苦労しました。今、従業員やバイトスタッフとして、飲食店や雀荘で働いた経験が長い人を採用して、助けてもらっています。仕込みから清掃まで、どういうことをしていたのか、全部教えてもらいました。

そういう経験があれば、自分で開業したときに絶対役に立つはずです。バイト先のオーナーが「こういうところで、こんな仕事があったよ」とか、助けてくれるかもしれない。バイトってお金を稼ぐだけでなく、もっと大事なことが得られると思うんです。私が経験なかっただけに、そう身に染みて感じます。

 

ずっとやりたかった仕事が麻雀と結びつきました

中田花奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――今後の長期的な展望はありますか?

麻雀カフェを開いたことで、タレントとしての自分ではできなかったことも、できるようになりました。最近だと、ジェラート屋さんにお願いして、私が提案したオリジナルのジェラートをお店で出しています。

私は甘いものが好きで、本当は麻雀や投資よりスイーツの仕事をずっとやりたかったんです(笑)。それが意外な形で実現できて、すごくうれしくて。そういうふうに、麻雀カフェからいろいろな可能性が広がっていると思うので、ザックリした言い方ですけど、新しいことをたくさんしていきたいです。

――麻雀カフェを開いて、本当に良かったですね。

まだ始めたばかりで、今のところは「大変」という言葉しか出てきません。もうちょっと軌道に乗って、お店のシステムがしっかり作られて、コロナ禍でできないこともやれるようになったら、もっと楽しくなると思います。

――乃木坂46を卒業したときに想定していた、引退後にひっそり生きるための場所ではなくなりましたね。

思った方向には行ってなくて、葛藤するときもありますけど、何をするにしても、苦しいことはあるとは思うので。今のほうが卒業したときよりポジティブで、精神的に健康でやりたいこともいろいろあるので、明るい未来に続いている気がします。

 

■Profile
中田花奈
(なかだ・かな)

1994年8月6日生まれ。埼玉県出身。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格。2012年2月に1stシングル「ぐるぐるカーテン」で選抜メンバーとしてデビュー。2020年10月に卒業。2021年3月に日本プロ麻雀連盟のプロテストに合格。同年6月にオーナー店長を務める麻雀カフェ「chun.」を開店。『元乃木坂46中田花奈の麻雀ガチバトル! かなりんのトップ目とれるカナ?』(TBSチャンネル1)に出演中。1st写真集『好きなことだけをしていたい』(光文社)、日本大学商学部の濱本明教授との共著『「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話。』(PHP研究所)が発売中。

OFFICIAL Twitter:@nakada_official
OFFICIAL Instagram:@nakadakana_official

■麻雀カフェ「chun.」
中田花奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork

現在、雀卓、カフェともに完全予約制。麻雀のプレイ料金は1時間 1人660円(税込)。カフェのみの予約も可。18歳未満の利用は不可。
問い合わせ:@chun_mahjongcafe

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:小澤太一 取材・文:斉藤貴志

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