スマートフォンの普及と新型コロナウィルス感染症は、顧客とのコミュニケーションに大きな変化をもたらした。WebサイトやEメールに加え、アプリ・SNS・配信サービスなどを駆使したデジタルプロモーションが活況となり、顧客接点で取得した情報にもとづくデータドリブンマーケティングも本格化している。営業・マーケティング・カスタマーサポートのあらゆる領域においてDXが加速しており、その波はこれまで対面を重視していた業界にも及んでいる。多様化するデジタルマーケティングにどう応えるのか― 本稿では、多くの国内大手企業へのWebサイト構築・運用支援の実績を持つトランスコスモスの担当者に同社が目指すデジタルマーケティングのあり方について話を伺った。

画一的から総合的なマーケティングDXへと変化

多様化するそれぞれの顧客接点をどう組み合わせ、どのような体験をもたらすべきか。各領域のデータをどう分析し、次の施策に反映すべきか。これからのデジタルマーケティングには、単一のメディアに広告を掲載するだけにとどまらない、より複雑な取り組みが必要となる。

トランスコスモス株式会社 竹下 公久 氏 写真

トランスコスモス株式会社
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルインタラクティブ事業本部 マーケティングコミュニケーション統括部
統括部長 竹下 公久 氏

DXの戦略立案から、システム構築・Webサイト運用・広告配信・SNS施策の実施まで、あらゆるデジタルマーケティングを包括的に支援しているのがトランスコスモスだ。トランスコスモス株式会社 マーケティングコミュニケーション統括部 統括部長 竹下公久氏は、近年、総合的なマーケティング支援のニーズが急増していると言う。

「かつて大半の企業では、Webサイトの部署と広告の部署、そしてコールセンターとがバラバラに動いていました。しかし、それぞれの持つデータを統合し、ユーザーの行動を追いかけていくことにより、一貫した顧客体験の提供が可能になっています。近年、こうした総合的なマーケティングDXに関する相談を多く頂いています」(竹下氏)

既存の部署の枠組みを超え、多くの顧客接点からデータが集まるほど、顧客の行動は鮮明となりより効果的な施策を展開することができる。しかし、同時に強く要請されているのが個人情報への配慮だ。

改正個人情報保護法への適切な対応がブランディング向上に繋がる

2022年4月、AI・ビッグデータ時代への対応などを目的とした『改正個人情報保護法』が施行された。対応に追われるマーケティング担当者も多いだろう。トランスコスモス株式会社マーケティングコミュニケーション統括部 グロースハック推進部 部長 大塚康男氏は、マーケティングの観点から同法のポイントについて次のように話す。

「今回の改正によって、マーケティング施策を進めやすくなった側面もあります。たとえば、従来は復元できない加工が必要だったのですが、改正後は一部を加工し他情報と突き合わせる形で情報を利用できるようになりました。その反面、個人情報を何に利用するのか、ユーザーにきちんと示すことと、明示した使い方から逸脱しないことなどが厳しく求められるようになっています」(大塚氏)

Webサイトを訪れた時、データ活用に関するポップアップメッセージが現れ、チェックを求められた経験は無いだろうか?こうした本人同意の取得は、今回の改正によって法律上義務付けられるようになったものだ。

トランスコスモス株式会社 大塚 康男 氏 写真

トランスコスモス株式会社
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルインタラクティブ事業本部 マーケティングコミュニケーション統括部
グロースハック推進部 部長 大塚 康男 氏

「ユーザーのITリテラシーは年々向上しており、入力した情報の使い道が不明瞭だと不信感を抱かれる原因になります。きちんとしたアナウンスメントをすることは、法令順守にとどまらず、企業ブランディングにも繋がるのです。ただし、邪魔なポップアップは、本来のビジネスを損なうおそれがあるため、我々デジタルマーケティングのプロフェッショナルとしては法律と経済を両立させる落としどころを見つけなければなりません」(大塚氏)

こうした個人情報保護規制に対応していくために、インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供する管理ツールが「OneTrust」である。「このサイトではcookieを使っています」「こういう情報を使っても良いですか?」というポップアップバナーの掲出や、同意に基づいたWebページごとの広告掲載・計測を自動制御してくれる。

トランスコスモスはIIJの「クッキーバナーソリューション・パートナープログラム」に参画し、デジタルマーケティング施策の一つとして、OneTrustの導入を2021年から積極的に推進している。

「以前から弊社のお客様にサービスを提供するにあたり、IIJのネットワークやサーバーといったインフラサービスを利用するケースが多々ありました。そうした関係性のもと、cookie規制対応へのニーズに応えるため、パートナープログラムへの参画に至ったのです」(大塚氏)

さらに竹下氏は、IIJと協業する効果について次のように続ける。

「ぼくたちはあくまでもデジタルマーケティングのプロであり、法律のプロではありません。誤った対応をすれば、ブランドを損ねてしまう恐れがあるのですが、その点、法律の専門家を揃えたIIJがソリューションを用意してくれたことは大きな安心となりました。互いの長所を活かしたスキームによって、特にエンタープライズのお客様から好評を頂いています」(竹下氏)

デジタルマーケティングを企業のメインエンジンに

OneTrustのように、社会的な要請に素早く応じることができるツールの存在は、トランスコスモスが掲げる"CROO"にとっても意義深いと、トランスコスモス株式会社 マーケティングコミュニケーション統括部 副統括部長 石川圭太氏は説明する。

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トランスコスモス株式会社
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルインタラクティブ事業本部 マーケティングコミュニケーション統括部
副統括部長 石川 圭太 氏

「CROOは、"CRO(コンバージョンレートオプティマイゼーション)"と"OO(オペレーショナルオプティマイゼーション)"を掛け合わせた造語であり、今後トランスコスモスが提供していくソリューションの一つです。お客様が設定したビジネスゴールに対して最適化を図ることにより、デジタルマーケティングでビジネスへの貢献をすること。現状の運用からムダを省き、効率的な体制を築くこと。これら攻めと守りを複合したトータルソリューションがCROOなのです。プライバシー保護においても、デジタルマーケティング施策という攻めと、データ管理という守りの両方に関わってきます。このOneTrustはパッケージ化されているため、迅速な導入を可能にしてくれました」(石川氏)

デジタルの世界はめまぐるしく事態が変わっていき、スピードは重要な価値となる。さらなるデジタルマーケティングについて、大塚氏と竹下氏はこのように展望した。

「今後はデータを活用したサービスがますます進化していくことでしょう。情報はインターネットの中にも、店舗の中にもたくさんあります。それらを繋ぎ合わせ、最適な場所で最適なコミュニケーションを提供していくには、既存の体制・人材だけでは成り立ちません。お客様と接していると、社内体制の変革が急ピッチで進んでいると感じます。Web部門と広告部門とコールセンター部門が連携し、オウンドメディアと広告、カスタマーサポートが一体となってユーザーに新たな体験をもたらす、ということが広く理解されるようになってきました。我々はこれまで多くの企業を支援してきた運用ノウハウがあります。マーケティングの運用体制までトータルで見直しを行うことで、お客様にとって総合的なマーケティングDXを推進するパートナーとしてあり続けるよう今後も支援してまいりたいです」(大塚氏)

「デジタルマーケティングはもはや単なるWeb広告ではなく、ビジネスを駆動するための重要なエンジンになっています。この力を発揮するためには、上流の戦略から現場のオペレーションまでが噛み合わねばなりません。我々トランスコスモスはWebサイトのアウトソーサーとして発展してきた会社であり、今では数千名が運用業務をしています。『Webサイトという現場』で起きるさまざまな知見をすみずみまで活かすことによって、お客様のゴール達成のためのパートナーとしてさらに選ばれる存在になっていきたいと思います」(竹下氏)

  • トランスコスモス株式会社 石川 圭太 氏、大塚 康男 氏 、竹下 公久 氏
トランスコスモス株式会社の詳細、お問い合わせはこちらから
https://www.trans-cosmos.co.jp/

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