森野 誠之 2022/8/23 8:00

商品管理がアイテム単位からSKU単位に変わると、サイズや色ごとの価格設定が可能になります。最短で2023年4月から開始とのことなので、今から対応策を考えておきましょう。

カートボタンのまとめ方や楽天の検索対策も注意

楽天EXPO2022、楽天出店者が「必ず抑えておくべき要点」を解説 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/220817-rakuten-expo2022/

現在の楽天市場の商品登録単位は、「アイテム単位」。
「アイテム単位」管理のせいで、実現できないことが色々あります

たとえば、ある商品に複数のサイズ・カラーバリエーションがあるとします。

・価格が1つしか登録できない!

  ・「この色とサイズは余っているから、安くしよう・・」という設定ができません

・ちょっとした違いでも、買い物かごが別になる!

  ・同シリーズ商品のボリューム違いやちょっとした仕様違いであったとしても、価格が違えば同じ買い物かごに集約できません
  ・ 例)ビール「12本入」と「24本入」は、別々のかごにせざるを得ない

今の仕様だと、「SKUごとに最適な値付け設定ができない」わけです。

これのせいで商品が増え過ぎてしまうとか特定のカラーだけ余ってしまうということはよくありましたよね。ユーザー側は似たような商品ばかりが検索結果に出てきて、どれが目的の商品なのかがわかりません。売る側も買う側も困る仕様でした。

商品登録・管理の仕組みが「SKU単位」に切り替わります。 「SKU」とは、サイズやカラバリなど、アイテムの下にある小さなまとまりのこと。

「SKU単位」での商品管理になると、サイズ/カラバリや入数別に価格設定したり、訳アリを少し安くしたりなど、SKU単位で値付けを変えられるようになるため、柔軟な設定ができます

今後はSKU単位の管理に代わります。SKUとは「Stock Keeping Unit」(ストック・キーピング・ユニット)の略で在庫管理の最小単位のことを言います。例えば服であればサイズとカラーごとに管理しますよね。そのイメージです。今まではポロシャツは「ポロシャツ」で売るしかなかったのが、「青のポロシャツ」「赤のポロシャツ」で管理できるようになるので便利ですよね。

こちらは検索時のメリット。サイズとかカラーで検索すればそのものずばりが出てきてくれます。

こちらはAmazonっぽい感じ。本数違いで別商品が山のようにあるのはわかりにくかったですよね。

SKU化が実現されると、たとえば、ビール12本入りと24本入りなど、これまで「別のカートボタン(カゴ)に分けることしかできなかった」ものが、同じカートボタンで販売できるようになります

ユーザーにとっては、「すっきりとシンプルに」「選びやすい」売り場になりますね。 「Amazonは選びやすいけど、楽天はノイズが多くてほしい商品を探しづらいよね」という、これまでの評判を覆していくはず。

選びやすくて買いやすいのがAmazonですが、楽天市場もそこを目指してきているということです。送料無料ラインの統一化もありましたよね。こうなってくるとポイントで囲い込んでいる楽天が巻き返してきそうな感じがしてきます。

最短で2023年4月からの適用なので、そこまでにじっくり考えて準備しておきましょう。

関連記事

今週の要チェック記事

電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました | METI/経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

BtoC-EC市場規模は20.6兆円。物販系は13兆円でEC化率は8.78%、スマホEC規模は6.9兆円【2021年の電子商取引調査まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10057

いつもの調査結果が出てきました。BtoC-EC市場規模は20兆円を突破です。

「メタコマース」に視線集中、メタバースとリテール融合の大旋風始まる | Yahoo!ファイナンス
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220806-00000032-stkms-stocks

メタバースに人が増えれば自然と物も売れると考えるとわかりやすいです。

「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査 | メルカリ
https://about.mercari.com/press/news/articles/20220816_consumersurvey/

中古品に対する抵抗感が減ってきています。リセールバリューにこだわって買うユーザーは増加。

和三盆を守りたい テレビでも話題の『和三盆の花咲くおはぎ「花輝」』ができるまでを服部製糖所さんに聞く | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/11635

売れたことで嫌な経験をされたようですが、そういったことも乗り越えて進んでいました。

「品質がよくない」「普段の1.5倍の値段です」 顧客満足度No.1のスーパーで見つけた“正直すぎる”ポップの真意:オネスト(正直)カード | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2208/09/news032.html

こういった言い方ができる人が商売がうまい人。

仕入れ販売の開始から5年で年商1億円、費用を抑えて売上を伸ばす運営の工夫とは | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/22080

自分たちで在庫管理と出荷って大変なのですが、そこを工夫で乗り切った事例です。

商品一覧画面のプチ改修で売上アップ ジュエリー・アパレルECの事例に見るユーザーの回遊促進術とは | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/11556

今回もとってもわかりやすい事例。プチ改修なのに成果大。

今週の名言

悲壮な顔でビジネスしていている人はうまくいかないんだな | マーケティングコンサルタント藤村正宏ブログ
https://www.ex-ma.com/archives/15373

忙しい、忙しいと言っている人や、つまらなそうに仕事している人、心がこもっていない人などは、ビジネスが上手くいかないよな。
そう思うのです。
だからいつも上機嫌で仕事したいよね。

今回ピックアップした記事に事例記事がいくつかありますが、皆さん楽しんでいるか前向きに取り組んでいますよね。うまくいかなかったこともオープンにして笑い話とか良い経験に変えていきましょう。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

この本をAmazonで購入
この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]