国際ビジネスの最前線で、日本産業の未来に貢献する。国際協力銀行が今、キャリア採用を強化するワケ
2022/11/07

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国際協力銀行(以下JBIC)は、政策金融機関として、日本の産業の国際競争力強化、資源開発や地球環境保全を目的とした海外事業などを担っている。幅広い業務を行う中で、一層、リスクテイク機能の強化が期待されており、2016年ごろからは、これまで以上に多様な人材を求めてキャリア採用を強化しているという。

JBICの仕事の醍醐味(だいごみ)はどこにあるのか。そして、入行後にはどんなキャリアパスが広がっているのか。「視座を高く持ち、『日本の力を、世界のために』というミッション(使命)に共感する方と働きたい」と語る、キャリア採用責任者の池原学志氏に詳しく聞いた。

〈Profile〉
池原学志(いけはら・さとし)
株式会社国際協力銀行 企画部門 経営企画部人事室次長 兼 人事課長
1998年、日本輸出入銀行(現 株式会社国際協力銀行)入行。開発金融研究所、国際金融第1部、中国留学、債権管理システム部、香港駐在員事務所、資源ファイナンス部、財務部、石油・天然ガス部、電力・新エネルギー第1部、審査部などを経て、2021年7月から現職。多数の大規模融資案件でプロジェクトファイナンスに携わった経験を持つ。現在は、経営企画部人事室で、人事面から組織運営に関わっている。

※内容や肩書は2022年11月の記事公開当時のものです

専門性よりもミッションへの共感を重視。日本の将来に貢献することが仕事のモチベーションにつながる

――国際協力銀行は、なぜ今、キャリア採用を強化しているのでしょうか。

池原:かつてないVUCA(※1)の時代を迎えている日本と世界において、私たちの役割を全うしていくためには、より多くの新しい仲間が必要だからです。

共に変革の時代を切り開く「羅針盤」(※2)となってスピアヘッド(先陣を切る人)の役割を担ってくれるような人をイメージしています。その中で、専門性の高い、即戦力となってくれる多様な人材が仲間になってくれることを期待しています。

以前から、キャリア採用は限定的に行っていましたが、ここにきて、より本格的に募集することになりました。 ※1 Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字を取った言葉。変化が激しく、あらやるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生する将来の予測が困難な状態。 ※2 JBICは2021年6月に第4期中期経営計画を策定し、今後10年先を見据えたあるべき姿として、「海図なき世界情勢の中で、日本の力で未来を築く『羅針盤』でありたい。」という中長期ビジョンを策定。職員一人一人が、日本の力で未来を築く「羅針盤」として活躍・成長していくことが期待されている。

――「専門性の高い人材」とのことですが、具体的には金融の知識や経験、英語力が求められるということでしょうか。

池原:そうですね。金融機関や投資事業での経験に基づく金融実務のスキルなどは期待していますが、海外ビジネスの経験やJBICが取り組む特定分野で生かせる知見がある場合も多いと思います。若手の方については、ポテンシャルや意欲も特に重視したいです。

英語力については、日常的に英語の契約書を読んだり、交渉を行ったりしなくてはならない場合があるので、もちろん、入っていただく前に一定の英語力があるに越したことはありません。ただ、さまざまな研修制度もありますし、日々の実務の中で、否が応でも学び、身に付ける機会はあるので、キャッチアップは可能です。

そして、こうした専門性は大切ではありますが、何よりも欠かせないのは、JBICのミッション(使命)に対する共感です。「日本の力を、世界のために。」とうたっている通り、私たちの業務は非常に公共性が高い。「国のために働くという意識」や国のお金を使って出融資をする上で欠かせない「高い倫理観」が重要です。

JBICは「日本及び国際経済社会の健全な発展への貢献」を目的とする唯一無二の機関です。日本や国際経済社会に貢献するダイナミックな仕事に挑戦することで自らを成長させられること、これがJBICで働く最大の魅力、仕事の醍醐味ではないでしょうか。

例えば、最近では、「グローバル投資強化ファシリティ」を創設し、脱炭素化をはじめとする地球環境保全への貢献の他、コロナ禍で混乱が生じたグローバルサプライチェーンの強靱化(きょうじんか)のため、産業全体を俯瞰(ふかん)してさまざまな支援に取り組んでいます。

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「日本企業の海外ビジネスを支援したい」「地球規模の課題解決に貢献したい」……。さまざまなバックグラウンドを持つキャリア人材

――これまでキャリア採用で入行した方には、どのようなバックグラウンドの人がいますか。また、どういった理由で志望していますか。

池原:金融機関で融資の実務を経験した人が多いですが、メーカーや商社、コンサルティングファーム、国家公務員だった人もいて、幅広いです。

民間企業から転職してきた人は、「自社の利益を追求するよりも、もっと社会課題の解決に貢献できる公益性のある仕事がしたい」など、JBICのミッションに共感し志望してくれている場合が多いです。特に最近は、気候変動や再生可能エネルギー、脱炭素などの、グローバルな課題解決への貢献に魅力を感じて志望する人が増えています。

また、少子高齢化が進み日本市場が縮小傾向にある中で、「今後の成長機会は海外にある。日本企業の海外ビジネスを支援したい」という理由を挙げた人もいました。

――皆さん、現在どのように活躍していますか。

池原:証券会社でM&Aのアドバイザリー業務などを経験してからJBICに入った職員がいるのですが、最初はエクイティ投資を行うエクイティ・インベストメント部で、前職のスキルを生かしながらJBICの業務に慣れてもらいました。その後、ミドルオフィスの審査部の配属になり、経験のなかった銀行の融資業務を学んでいます。現在は、産業投資・貿易部で、日本企業の海外進出に関わるコーポレートファイナンスを担当していますね。

中央官庁の国家公務員だった職員は、前職では政策立案に関わる調整業務が多かったそうで、「国際ビジネスの最前線である海外の現場で、日本の産業のために働きたい」という強い思いを持って、3年ほど前にJBICに入行しました。

金融に関する知識も経験もゼロに近い状態でしたが、調整業務での経験を生かし、多少の失敗があっても逃げずに粘り強く仕事に取り組む姿勢を持っていて、新しいチャレンジにも積極的で非常に柔軟性が高い。現在は、当初の希望を叶え、アジアの駐在員事務所で生き生きと働いています。

――最初の配属はどのように決まるのでしょうか。

池原:スムーズに組織になじみ、早期に成果を出してもらうことを第一に考えています。その意味で、前職の経験と親和性のあるところに着任することが多いです。例えば、民間の銀行でコーポレートファイナンスに携わってきた人は、コーポレートファイナンスに関わる部署に配属されていますし、燃料関連の企業でLNG(液化天然ガス)の調達を担当していたという人は、エネルギーソリューション部に配属になり、LNG開発・調達の分野で経験を生かしてもらっています。

社会的インパクトの大きいプロジェクトで「海外と日本」「民間と政府」の“橋渡し”

――海外赴任の可能性はありますか。

池原:世界18カ所に駐在員事務所があり、多くの職員に広く駐在の機会があります。私も30代になってすぐの頃に、2年半ほど香港事務所に駐在しました。これはキャリア採用でも同様です。現に、二つ目の配属で海外駐在員事務所勤務となった職員もいます。

――海外の駐在員事務所では、どんな業務を行うのでしょうか。

池原:担当国の政府や現地企業、同国所在の日本企業との関係構築の他、同国の政策やプロジェクトのリサーチを行うことが一つ。さらに、JBICにとってのコア・バリューの一つに「現場主義」がありますが、海外プロジェクトの現場に密着し、早い段階から能動的に関与し、先駆的な付加価値を創造することを目指しています。駐在員事務所でも、担当国の政府関係者や日本企業と連携しながら、日本企業の海外ビジネス展開支援に向け、案件の発掘に努めています。

ですから、さまざまな立場、価値観を持つ人と、能動的に仕事をすることが求められます。語学力だけでなく、そうした柔軟性やグローバル感覚を持つことが大切です。

――JBICの仕事のユニークなところは、どんなところでしょうか。民間の金融機関との違いを教えてください。

池原:ミッションが明確であるという点が一つあると思います。また、組織の立ち位置として、世界と日本、官(政策)と民(ビジネス)をつなぐクロスロードの中心にいるというのも特異性かと思います。

こうした、「グローバル」な舞台で「公的」な視座を持って「金融」の最前線で活躍していることが、JBICのユニークさを形づくっていると言えるでしょうね。

JBICは特に、プロジェクトファイナンスの世界でのプレゼンスが大きいんです。また、社会的なインパクトの大きい、大規模なプロジェクトに携わる機会も多いです。こうしたプロジェクトでは、借り手側、貸し手側のいずれも、関係者が多いのですが、議論を主導する立場となることも多く、非常に大きな責任を担うのでプレッシャーはありますが、やりがいも大きいですね。また、現地政府と直接話をしながら仕事を進めることも多いです。

また、クロスロードの中心で働く中で、日本企業の海外事業の最前線の状況を見聞きし、産業全体の利益を考えながら日本政府の政策に反映させる役割も担うという面白さもあります。

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広い視野を持ち、専門性を持ったリーダーを育成するためのジョブローテーション

――JBICでは、今回、総合職で採用を行っており、全員が入行後ジョブローテーションをしながらキャリアを積んでいくと聞いています。具体的に説明していただけますか。

池原:「ジョブローテーション」というと、「ジェネラリストを育成するためのもの」という誤解をされることが多いのですが、私たちの狙いはそこではありません。個々の強みを伸ばし、JBIC全体の役割や課題を理解しながら、広い視野を持って自分の専門性を磨いてもらうことを目的としています。紋切り型ではない「個の力」が組み合わさり組織としての強さにつながればと思っています。

JBICの組織の特徴の一つでもあるのですが、職員数677人(2022年6月22日現在)と、決して大きな組織ではないので、若い頃から裁量と責任を持った仕事を任せられることになります。ですから、一人一人が幅広い業務を経験することで組織を俯瞰し、能動的にリーダーシップを発揮して活躍できるようになってほしいのです。

――具体的には、どのようにジョブローテーションが行われるのでしょうか。

池原:例えば新卒の場合は、最初はさまざまな部署を経験してもらい、職務遂行能力を培い、キャリアイメージを形成してもらいます。おおむね入行8年目、中堅になったところで、組織運営や経理、法務、リスク管理、ITなどの「バックオフィス系」、外国政府向けファイナンス、プロジェクトファイナンス、コーポレートファイナンス、エクイティファイナンスなどの「フロント・ミドルオフィス系」のそれぞれについて、最低1つずつ、最大2つずつを選ぶ「業務分野認定」を行います。

バックオフィス系から1つ、フロント・ミドルオフィス系から1つの計2つで認定を受ける場合もありますし、それぞれから2つずつ、計4つで認定を受ける場合もあります。以降は、認定されたある程度絞られた分野の中でジョブローテーションをしながら、リーダーシップや専門性を付けていきます。「社内のことが広く浅くできるようになる」といったジョブローテーションではないんです。

――キャリア採用の場合は、どうなりますか?

池原:ケースバイケースですが、JBIC内部のことを知らずにいきなり業務分野認定をするのは難しいと思いますので、異動2カ所目、概ね入行3年目以降に業務分野認定をするといったイメージになるでしょう。

――過去にキャリア採用された方の、具体的な事例を挙げていただけますか。

池原:基本的には、前職の経験や本人の意向も踏まえつつ決めていきます。例えば化学メーカーで営業などを経験してから入行したある若手職員は、なじみのあるセクターである石油・天然ガス部に配属され、資源開発分野のプロジェクトファイナンスに携わりました。

その後、アジアの駐在員事務所に赴任しました。担当諸国では、エネルギー、インフラ、製造業など、多様なセクターで日本企業が関与するプロジェクトが進行していて、社内のさまざまな部署と連携が常に求められる環境でしたが、調整能力を発揮して迅速かつ的確に対処していました。こうした経験を通じて、プロジェクトファイナンスと組織運営の業務分野認定を受け、現在は経営企画部で活躍しています。

――バックオフィス系、フロント・ミドルオフィス系の両方を経験することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

池原:フロントでは、もちろんさまざまなプロジェクトに直接携わることで、担当するセクターの知見や営業実務、対外交渉のスキルなど、現場経験が積めますが、それだけだと、特定のセクター、特定の金融手法しか知らないままになるということもありえます。一方、ミドル・バックオフィスでは、JBIC全体の役割や課題などを俯瞰して見ることができるので、フロント・ミドル、バックの両方を知ることで、私たちの仕事に欠かせないリーダーシップをいち早く身に付けることができます。

私自身も、それは実感しています。私は20代の間は、日本企業の海外投資状況の調査、融資案件の債権管理事務など、主にバックオフィスで経験を積みました。30代は、フロントで発電事業などの融資に携わり、一貫してプロジェクトファイナンスの経験を積みましたが、ここではバックオフィスで得た経験や知識が本当に生きましたね。

債権管理事務では、JBICの融資案件全ての融資契約を見ますから、さまざまな金融手法やセクターごとの契約条件の特徴などを理解することができたんです。これが、実際に融資に携わるようになり、融資条件交渉などで即座に難しい判断を求められる場で非常に役立ちました。

――最後に、Liiga読者へのメッセージをお願いします。

池原:政策金融機関ということで、敷居が高いのではないかというイメージを持たれているかもしれませんが、まったくそんなことはありません。また、多様な業界からキャリア採用で入社した職員が多く、皆、活躍してくれています。私たちのミッションに共感し、やる気を持って日本の産業のために働きたいという方は、ぜひ応募していただきたいと思います。

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コラム作成者
Liiga編集部
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