国道29号は幸せ招く「福(29)ロード」…見て食べてハッピーな姫路~鳥取ぶらり旅

スポーツ報知
国道29号線

 兵庫県姫路市と鳥取県鳥取市を結ぶ国道29号が注目を集めています。必見の感激スポットや絶対に食べておきたいグルメなど、沿線は魅力いっぱい。「幸せを招く」福(29=ふく)ロードを紹介。ドライブで巡ればハッピーになること間違いなし!

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 国道29号は兵庫県姫路市(上太田ランプ)を起点とし、鳥取県鳥取市(千代水3丁目)を終点とする総延長118・6㌔の一般国道。古くから山陽地方と山陰地方を結ぶ道路とされてきた。起点で国道2号、終点で国道9号に接続し、寄り道しながら小旅行を楽しむドライブはもちろん、サイクリストにも人気のルートだ。

 ◆姫路市・光と水と音楽の美の境地を世界へ

 姫路城は来年12月に、日本初の世界文化遺産となってからちょうど30年の節目となる。そのプレイベントとして三の丸広場で12月2日から11日まで、光と水と音楽が響き合うライトアップイベント「姫路城 Castle History 鏡花水月」(入場無料)が開催される。

 三の丸広場にはかつて、向屋敷庭園があり、御殿のほかにも池や茶室があったと記録されている。約400年の時を経て、この場所で月明かりの池に映し出された白鷺城の水鏡が再現される。光のオーロラと水面が織りなすダイナミックで清廉な「美の世界」、一味違う姫路城は必見だ。

 ◆たつの市・冬の味覚!!「1年かき」

 北には山が広がり、南は瀬戸内海。南北に貫く形で揖保川(いぼがわ)の流れをたたえるたつの市。自然環境に恵まれ、これからの時期、瀬戸内海の冬の味覚「牡蠣(かき)」 が絶品だ。

 たつの市にある岩見漁港、室津漁港で養殖される牡蠣は、1年で大きく生育。焼いても縮まないのが大きな特徴だ。焼き牡蠣に蒸し牡蠣、フライに鍋…。いろいろな料理で間違いなく美味しく楽しめる。旬は12月から3月で、週末には多くの人が「最高の海のミルク」を求めてやって来る。

 ◆宍粟市・何と言ってもとろろ

 2005年に4町が合併して誕生した宍粟(しそう)市は、兵庫県最高峰の氷ノ山(ひょうのせん)を擁するなど「森林王国」と呼ばれている。その中の波賀(はが)町では「山菜の王者」と呼ばれる自然薯が特産。まさに今、収穫期真っただ中だ。滋養強壮、健康増進に最適で、粘りが強く、味、風味とも抜群だ。

 豊かな自然に囲まれた波賀町は、昼と夜との気温差が大きく、自然薯が厳しい環境でたくましく育てられている。オススメの食べ方は、何と言ってもとろろ。火であぶってひげ根を取り、皮のまますり鉢ですり下ろすと、香りも存分に楽しめる。食感はネバネバを通り越して、まるでもちもち。削り節としょうゆを混ぜれば絶品おかずのでき上がり。「道の駅みなみ波賀」(宍粟市波賀町安賀8の1・電話0790・75・3999)に足を運べば70から90㌢のたくましい姿に会える。お土産にしても、絶対に喜ばれる逸品だ。

 ◆若桜町・時間が止まる歴史的街並み

 兵庫、岡山の県境に接する山間の若桜(わかさ)町は、城下町、宿場町、そして物資の集積地、商家町として栄えてきた。明治期に2度の大火に見舞われ、市街地のほぼ全域が焼失。しかし、防火対策を盛り込んだ復興で町並みは見事に整備された。昨年、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された約9・5ヘクタールは、時間が止まったかのような雰囲気を醸し出している。

 復興の際には、旧若桜街道である本通りを拡幅・直線化し、通りに面して伝統的な町家が建ち並んだ。建物には燃えない屋根葺材を使用し、土蔵など防火が考えられた町並み。自然の地形を活かした八東川から引いた用水とともに落ち着いた空気に包まれている。そこで歴史的景観を体感するもよし。レトロな場所を訪ねるのもよし。もちろん、グルメを楽しむのもOKだ。

 ◆八頭町・糖度20度の甘柿

 豊かな自然が広がる八頭町。そして、ここは「フルーツの里」と呼ばれている。ここでは日本一の甘柿「こおげ花御所柿(はなごしょがき)」をぜひ味わいたい。

 肉質は緻(ち)密で果汁が多く、糖度は17度から20度。甘柿の中でも最高と言われている。

 品質や評価の高さなど確立した特性が、産地と密接に結びついている農林水産物などを知的財産として国が保護する、「地理的表示保護制度(GI)」にも登録されている逸品。11月下旬の「霜が降りる」頃が収穫の時期とされる。赤く色づいた実が、落葉した柿の木にたわわに実る姿はまるで「柿の花が咲いた」ようだ。

 ◆鳥取市・圧倒的な砂像

 鳥取砂丘、白兎海岸、鳥取城跡に湖山池…。名所が目白押しの鳥取市で、今、外せないのが「鳥取砂丘 砂の美術館」(鳥取市福部町湯山2083の17 電話0857・20・2231)だ。

 同美術館では「砂で世界旅行」をコンセプトにほぼ毎年テーマを替えて展示を行っている、14回目の現在は「砂で世界旅行・エジプト編」(2024年1月3日まで、23年1月10日~2月末までメンテナンス休館)。ピラミッドやスフィンクス、アブ・シンベル神殿などその迫力、リアルな臨場感に思わず息をのむ。その圧倒的な砂像の世界は、見る者の心をがっちりとつかむ。

 砂と水だけで作り上げ、展示が終わるとまた元の砂に戻るため、まさに一期一会のアート。鳥取市の違った一面が垣間見える場所だ。

 ◆「29」は肉でもある

 「福ロード」は「肉ロード」でもあった!? 幸福になれる国道をドライブして“口福”になろう!! 国道29号沿線の肉料理を提供する店舗と道の駅のスタンプを集めて応募すると、宍粟牛や鳥取和牛など1万円相当のお肉や、沿線特産品などが当たる「ニク(29)ロードスタンプラリー」が現在、開催されている(来年1月31日まで)。

 指定店舗と道の駅などに備え付けの台紙に、店舗と道の駅それぞれ1つずつのスタンプを集めて応募しよう。異なるスタンプの組み合わせなら、1人で複数回応募できる。詳しい問い合わせは「29ロードネットワークス(鳥取情報文化研究所内)」電話0857・25・5507まで。2月上旬の商品の発送をもって当選発表に代える。

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