Google Analytics(UA)が使えなくなるのはどのくらいヤバくて、いつまでに何をしたら良いのかの話。

タイトルにも書いていますが、Google Analytics(UA)がもうすぐ使えなくなるんですよ。

GA4っていうのになるらしいんですが、自動で切り替わったりしないし、何もしてないと単に使えなくなるんですよ。知ってました?

※追記※2023年になって 自動的にGA4プロパティが作成されることになりました。しかし、むしろ手動ではないことで混乱しているようです。切り替えではなくGA4プロパティが追加されるんですが、そのデメリットについてはググって調べてね。


(UA)っていうのはGA4ではない、これまで使われてきたGoogle Analyticsだと思ってください。やや正確ではないのですが「GA4という最新版ではないGoogle Analyticsはすべてサービス終了される」くらいのイメージで捉えてもいいです。

業務で関わってる人たちからはGA4移行についての記事やツイートがたくさん流れてきます。でも、Webサービスやってるスタートアップ経営者やエンジニアさんと話すと「ああ……そんな記事をチラッと見ましたね……いつまでに何したら良いのか知らないけど……」って反応なことが多いんです。

解析が専門ではなくてもWebサイトに関わっている方がこの記事を読んで、僕と同じような「あ、思ったよりヤバそう。これヤバいんじゃない? 何もしてなくない? やっべえな」という気持ちの共有ができたら幸いです。

※僕はGA専門家じゃないので間違いがあれば修正しますのでプロのみなさんは優しくご指摘ください。

 

Google Analytics(UA)終了、ここがヤバい。

「会社に報告して何かしないといけない」みたいな人も多いでしょうから、簡単にGA4移行のヤバみを説明します。

  • Googleの発表によると来年 2023年7月 に UA(GA4じゃないGoogle Analytics) を停止します。停止されたらPVも記録されません。
    ※停止後も6ヶ月以上「見るだけ」はできますが、新しい記録はされません。そのうち見るのもできなくなります。


  • 来年になってからGA4対応すると前年との比較ができなくなります。Google Analytics(UA)からデータ引き継ぎはできません。
    ※できなくはないけどUAとGA4で前年比較を頑張れる人は人類の0.001%くらいしかいないと思うので「できない」と書いてます。


  • Google Analytics(UA)とGA4は、データの取得条件など計測方法も何もかもが違うので数値に差が出るのが普通です。また、GAの画面上でのデータの見方も違います。それなので早めにGA4基準でデータを見はじめた方が良いです。


  • コンバージョン計測やGAを使った広告計測などはデータ保持期間にいろいろ制限があります。ECサイトとか大変かも。
    ※これは前提知識がない人に説明すると難しいんで詳しい人に聞いてください。
    ※(2022/04/21追記: 誤解が多いようですけどデータ保持期間の設定はユーザー数やセッション数など「集計レポート」には影響せず、「データ探索レポート」では期間を超えると扱えなくなります。なのでコンバージョンやイベント、広告の計測が必要なサイトでは影響は大きいですが、ユーザー数の推移を見るようなサイトでの影響は軽微だと思います)


  • Google Analytics(UA)とGA4は、同時に設置できます。自動で切り替わったりはしないのでGA4の設置が必要です。すでに設置だけしてみてるサイトも失敗して計測されていないこともあるので確認はした方が良いです。
    ※実際のところGA4は設置だけじゃなくて設定してナンボみたいなところあるので置くだけだともったいなとこあります。

 

いつまでに対応すべき?

前年比や期間比を見るサイトなら今すぐ設置(あるいは設置されているなら確認)した方が良いです。できるだけ早くが良いんじゃないですかね。
(後述しますが、会社によっては予算とったりUAとの違いを学んでからでないと導入できないから、その助走期間が必要になるのです)

前年比も見なくはないけど、ほぼ見ない。たまーーーに会議で「アクセス数どうなん」って会話になるよってくらいの牧歌的な運営をされているサイトでも、来年の停止までに対応した方が良いです。今年中くらいにはやった方が良いんじゃないでしょうか。

 

どうやって対応すべき?

GA4は、分析をしやすいように作ってあって今ドキの設計思想で作られている次世代のGoogle Analyticsです。Googleも公式にそんな感じのことを言ってます。

ただ、多くのWebマスターやプロダクトマネージャーとしては「いや……そんな専門的なこと言われても知らんし……」となりやすいところがネックです。

 

専門家にやってもらう場合の注意

大きな会社なんかだと外部の専門家に依頼することもあると思います。ただ、GA4をちゃんと設計できる人はまだ専門家でも多くはないらしく、いまは引っ張りだこで仕事を請けてくれるかどうか分からないです。

その間にも時間は過ぎて前期間比ができる範囲が狭くなっていくなどGA4で見られない期間が広がっていくかもしれません(まあ、設置だけしておくのではも良いですが)。

大きい会社とかで「その予算がとれるのは来期ですね」とかになるとヤバみが深い。もちろんGAでの分析が必要ない状況で無理して予算とることはないですが、GAみたいな計器に不備があるまま大きなサービスを動すとヤバいって会社もあると思うんですよ。ひーん。



とりあえず自分たちで勉強しようぜの場合

とりあえず数ヶ月以内にGA4に切り替える(UAと併用する)として、まずは自分たちで勉強しないといけないなってチームが一番多いと思うのですね。

小川卓さんという神のような方が、神ガイドを出してくれています。これ見て勉強するのが今のところ良さそう。Google公式のドキュメント見てもよく分からないって人も多いでしょうから、こういうの本当に助かりますね(とはいえ、公式ドキュメントもちゃん見ようね)

ga4.guide

 

 

なんかもう面倒だしGoogle Analyticsじゃない簡単なのないの?って人は

いちしまさんという僕の尊敬するデジタルマーケティング支援のプロフェッショナルの方がこんな記事を書いてくださってます。なかなかGA4以外を選択するというのは難しいところだけど、ほんとアクセス数だけたまに見るんですよくらいの牧歌的な運営なら良いのかもしれませんね。

makitani.com

これ素晴らしい記事なんですよ。どうでもいいですが、いちしまさんはサイゼリヤ有識者なので美味しい新メニューやカスタマイズ情報も知っているGAとサイゼのプロです。

 

 

ウチのGoogle Analyticsって、GA4なの? わからんぞ? って人は

それは見分け方があるのでググってお調べになってほしいですわ。
(でも、たぶんこう言ってる場合は停止されるUAの方を使ってることが多いんじゃないですかね)

 

 

Googleには責任をもってこういうのもっと慎重にやってほしいな、というお気持ちも書いときます。

僕はGoogleのプロダクトも姿勢も大好きなのですが、今回は微妙(良くない意味で)と思っています。

高機能ツールを無償提供することで他社の解析ツールを市場から追い出すように独占して、世界中のWebサイトに設置されてきたGoogle Analytics(UA)なのですから、ちょっとしたサービスが終わるのとは影響力が違います。

ありとあらゆるサイトに設置されているのにGA4にデータが移行されるわけでもなく、自動で利用開始されるわけでもなく、Google Analytics(UA)がただ終了するというのはどうなんでしょうね。(これから何かあるのかもしれないけど)

タイミングも急だし、その割には解析に関わっていない人にも伝わるような大きな告知もされているように見えないし。

Googleとて完璧ではないのは仕方ないとして、新聞とかテレビのニュースとか、マスコミに報道されまくるくらい広報してくれようと、個人的には思ってます。

(追記: とはいえ無償でこんな凄いツールを提供できるのはGoogleだけ、ありがてえ…とも思ってるよ!!!)

とはいえ、もう決まったわけですからどうにかするしかないんですよね。

GA4自体は良いものだと思うので、頑張って勉強していきましょう。僕も今のところまだぜんぜん分かってないのでw

この記事に書いた通り、UA停止の直前になってからでは対応できないことがあります。

Webサイトや会社によってはGA4への切り替えにはもう既に時間が足りない状態になっている、ということはもっと多くの人や会社に知られるべきことだと思います。

 

Googleが広報していればこんな記事は書かないのですが、少しでも多くのWebマスターやプロダクトマネージャー、マーケターがGA4を適切に利用するためにも、UA停止で困らないためにも、早めに切り替えのための情報が広まると良いなと思います。