後に引く芳醇な香りと余韻に浸って

ふんわりと柔らかいかわいいパッケージ。

手を伸ばしてみたくなるけれど、「これ、おいしいのかな?」と今まで手が止まっていませんでしたか?

クリームチーズはクセが少ないので普段外出先や家で食べる機会がある人もいると思います。

一方、奈良漬けは黒っぽい色をしていて独特な香りがするのでクセが強めです。普段馴染みのない人からはなかなか手を出しだしにくい商品かもしれません。

この2つの食材をかけ合わせた『奈良漬クリームチーズ』は私が想像する味と違っていたんです。

私は居酒屋で奈良漬けとクリームチーズを混ぜ合わせたお酒のアテを食べたことがあります。なので味の想像ができていたつもりでした。

奈良漬けが好きな人はもちろん、苦手な人や初めて口にする人にも1度味わってほしい商品です。

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商品開発にこだわりの長期熟成酒粕が欠かせない

奈良漬けは白うりや胡瓜、西瓜、生姜など野菜を塩漬けにし、何度も酒粕に漬け替えながら作る漬物のことで、奈良県の伝統的食品の漬物です。

琥珀色したものや黒っぽい色をしていて独特な香りがあります。

三原食品では平成20年より創作クリームチーズを市場に販売している中、ある企画をきっかけに奈良漬けとクリームチーズを組み合わせた商品開発をすることに。

熟成した酒粕とクリームチーズを混ぜ合わせるために攪拌させてみるが、水っぽくなってしまってイメージする商品にはならない。

試行錯誤した結果、茶褐色に熟成した酒粕をベースにした漬床でミルフィーユのようにクリームチーズを1週間漬け込み、浸透圧で余分な水分を取り除き、味を染み込ませ、さらに発酵熟成させる。

クリームチーズがほんのり奈良漬けの香気をまとった上品な味に仕上がります。

ところでみなさんは熟成された酒粕を見たことがありますか?

一般的に目にする酒粕は純白、もしくは少し茶色みがかった白色だと思います。

酒粕は長期間熟成させると純白から深くて濃い茶褐色に変わっていきます。

※手前から長期熟成、中期熟成、未熟成の酒粕。

『奈良漬クリームチーズ』の特徴はなんといっても長期熟成した酒粕。

奈良漬けの商品だからこそ熟成された酒粕を使用したものでないといけないと探していたところ、和歌山県にある味わい深い清酒「黒牛」を醸す名手酒造店の長期熟成酒粕を見つける。

他の熟成酒粕で試したこともあったが、味わいの深さが全く異なり、三原食品が目指す『奈良漬クリームチーズ』の味にはならなかったよう。

そんな『奈良漬クリームチーズ』はパリで実施された「フランスにおける奈良県産品プロモーション推進事業」(2018年奈良県産業振興総合センター主催)において実施されたアンケートで「1番よかった」と高評価だったとか。

その後パリの日本大使館公邸料理人から食材指定され、レセプションで好評を博したほど、その味はお墨付き◎

パリの人たちはワインやシャンパンと合わせて楽しまれた。

これまでに評価されている『奈良漬クリームチーズ』。

さらにお客様に喜んでいただくためにリニューアルされたんです。

より味わい深く、奈良漬け度大幅アップしてリニューアル

リニューアルするきっかけが2つあり、

まず、三原社長が普段家で飲むときに奈良漬けとクリームチーズを一緒に食べることが好きだったので、リニューアル前の『奈良漬クリームチーズ』開発の時点で奈良漬けの風味がするクリームチーズだけじゃなくて奈良漬けそのものを乗せたいと考えていたこと。

そして、お客さまから「奈良漬けが入ってたらいいのに」や「乗っているものだと思っていた」という声があったのだとか。

創作クリームチーズをもっと知ってもらうために、三原社長自ら営業に出て全国でマネキン販売をすることもあり、その時に試食を配っていると、お客さまが商品名を聞いて連想することが“奈良漬けの風味のクリームチーズ”ではなく、“奈良漬けが入ったクリームチーズ”だった。

ただ乗せるにしてもどういう形で乗せるのか苦戦した。

クリームチーズの中に奈良漬けを混ぜ込んでみても目指す味にはならない。

混ぜ込んでしまうと水っぽくなりペースト状になってしまう。

そこでスライスした奈良漬けをクリームチーズの上に乗せることに。

さまざまな厚さで試食を重ね、奈良漬けとクリームチーズのバランスがちょうどいい1㎜の厚さにたどり着いた。

究極の厚さの奈良漬けを乗せることでぱりぽりっ!とした食感をプラスし、さらに旨味を付与しています!

 

リニューアルし、製品中の奈良漬け成分はリニューアル前約5%に対し、リニューアル後約12.5%に大幅UP!

その分やはり奈良漬けを上に乗せる分手間がどっと増えてます。

古き伝統のある味・技を守り続けている奈良漬けの山崎屋からパックで仕入れ、1㎜にスライスする。

薄くスライスされた奈良漬けを1枚1枚丁寧に広げ伸ばし、クリームチーズの上に乗せていく。

20年以上されているベテランの方を筆頭に黙々と呼吸のあった流れ作業でどんどん商品が形になっていく。

これまで珍味製造のノウハウで培った技術により、商品を真空包装していく。

その後加熱殺菌することで保存料などの添加物を使わずに180日の賞味期限を実現。

加熱すると長期保存できること以外にも、味をなじませるというメリットも!

肉や野菜が入ったレトルトカレーを殺菌のためだけではなく、味をなじませるために加熱するように、奈良漬けと酒粕で漬けたクリームチーズがより一体感のある仕上がりに。

リニューアルしてできた『奈良漬クリームチーズ』はクリーミーでまろやか。

奈良漬けの風味付けしたこくまろクリームチーズと芳醇な香りの奈良漬けをかけ合せた他では味わえない逸品。

 

取材担当からのコメント

中村

個人的にはチョコレートのような感覚。マイルドでコクのあるまろやかで深い味わい。ホップの香りや苦みを感じるIPAビールや熟成した日本酒、焼酎。ずっしりと重めのワインを嗜みたい。でも…ハイボールにも合いそう。

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奈良県天理市三原食品株式会社

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