「エビデンスに基づく教育」の閾を探る

教育学における規範と事実をめぐって

  • 杉田浩崇・熊井将太(編)/2019年9月
  • 3700円(本体)/四六判上製344頁
  • 装丁:桂川潤

客観的・科学的根拠とされる「エビデンス」は中立か?
エビデンスを教育に取り入れることの内実を、政策/実践/研究の面から推進・批判派の両主張とともに検討。不確実さの含まれる教育という営みにおける判断のあり方を問い、多様な理解と評価に向けた新たな道標を示す。
(ISBN 9784861106583)

目次|contents

はじめに
第1章 「エビデンスに基づく教育」という問題圏――科学思想史からその磁場を問う(杉田浩崇)
第1部 教育政策・制度と「エビデンス」とのあいだ
第2章 教育政策においてエビデンスを「つかう」とはどういうことか(佐藤仁)
第3章 エビデンスを「つくる」ことと「つかう」こと(長谷川祐介)
第4章 教育政策・制度の中で教師はどのように「エビデンス」に応答しているか(熊井将太・杉田浩崇)
第2部 教育実践と「エビデンス」とのあいだ
第5章 EBEを実践で語ろう(森俊郎)
第6章 現象学的教育学を基盤とした教師教育における確信形成への省察の契機(宮原順寛)
第7章 エビデンスは幼児教育に何をもたらすのか(岡花祈一郎)
第3部 教育研究と「エビデンス」とのあいだ
第8章 「エビデンス」は中立的か?――英米圏における批判的脳科学の射程(杉田浩崇)
第9章 「エビデンス・ベース」時代の教育実践研究――ジョン・ハッティの Visible Learning をめぐる議論から(熊井将太)
第10章 明治日本における教育研究――教育に関するエビデンス追究の起源を探る(白石崇人)
おわりに 「エビデンスに基づく教育」の展望――対話のプラットフォームをひらく
編著者・執筆者紹介
人名索引
事項索引

編者|editors

杉田浩崇(すぎた・ひろたか)
広島大学教育学部准教授。専攻は教育哲学。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。主な著書・論文に『子どもの〈内面〉とは何か――言語ゲームから見た他者理解とコミュニケーション』春風社、2017年、「エビデンスに応答する教師に求められる倫理的資質――徳認識論における知的な徳の位置づけをめぐって」日本教育学会編『教育学研究』第82巻第2号、2015年、「道徳教育における「規則のパラドクス」の射程――マクダウエルの治療的哲学観と実践的三段論法の捉え直し」教育哲学会編『教育哲学研究』第112号、2015年。

熊井将太(くまい・しょうた)
山口大学教育学部講師。専攻は教育方法学。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。主な著書・論文に『学級の教授学説史――近代における学級教授の成立と展開』溪水社、2017年、「授業の成立にとって学級とは何か」深澤広明・吉田成章編『学習集団研究の現在vol.3 学習集団づくりが育てる「学びに向かう力」――授業づくりと学級づくりの一体的改革』溪水社、2019年、「近代教授思想における学級教授論の構造と変容」日本教育方法学会編『教育方法学研究』第34巻、2009年。

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